ビジネス

Will、Can、Mustの3つの輪

株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。

今回は、自己分析でよく用いられるフレームワークであるWill、Can、Mustの3つの輪の考え方の紹介をします。

結論から言うと新卒での就職活動において、このフレームワークを使って自己分析をすることはおススメできません。なぜ、自己分析のフレームワークなのに、新卒での就職活動ではおススメができないのかについても私の意見を最後に書きましたので、是非読んで見て下さい。

まず、Will、Can、Mustの3つの輪ですが、以下の図のように表されることが多いです。

  • Will・・・やりたいことは何か?
  • Can・・・できることは何か?
  • Must・・・やらなければいけないことは何か?

これらの視点で自己を内省してみて、その3つの輪が重なっていればいるほど、その仕事は自分に合っていると考えられます。逆に3つの輪の重なりがない(もしくは少ない)場合は、自分に合った仕事ではないと考えられます。

例えば、

あなたのやりたい仕事が営業の仕事で、あなたには営業能力があり、また、会社からも営業の仕事を求められている場合、その仕事は、Will、Can、Mustの3つの輪が重なっていると考えられるので、その仕事はあなたに合っています。

営業能力があって、会社からも営業の仕事を求められていたとしても、あなたのやりたい仕事がウェブデザインだったとしたら、CanとMustは重なっていますが、Willの輪は重なっていないと考えられるので、その仕事はあなたに合っていません。(営業をするにしても、ウェブデザインをするにしても合っていないと考えられます。)

合っていない場合には、3つの輪の重なりを増やすために、勉強をしてウェブデザインの能力を獲得する(Canの獲得)、会社に掛け合ってウェブデザインの職種に変更してもらう、もしくは転職する(Mustの獲得)などをして、3つの輪が重なるような取り組みをする必要があります。(もしくは、このケースであれば、営業を好きになるようにして3つの輪が重なるようにしても良いと思います。)

このようにWill、Can、Mustの3つの輪を用いることで、自身のキャリアを見直して、今度どのようにキャリア形成をしていくか考えやすくすることができます。

すでに働き始めて、自分のWillやCan、会社の中で任されているMustが明確になっている方については、このフレームワークを使って自身のキャリアを内省するのは良いと思いますが、私は新卒就活においてこのフレームワークを使うのは、良くないと思います。

なぜなら、まだ働いたことが無い方は、仕事においてできるCanはとても小さいからです。できることが少ししかないのに、そのCanの輪に重なる部分で仕事を選ぼうと思えば、仕事の選択肢が少なくなってしまいます。Canは仕事をする中で獲得して広がっていくものでもあるので、就職活動時点のCanで仕事選びをすることで、自身の可能性を狭めてしまうことになると思います。

同様にMustの輪をイメージすることも難しいです。日本の新卒採用は職務を限定しないで採用を行うことも多いです。総合職という形で採用をして、研修後に配属が決まる中でMustを正しくイメージすることは困難です。

もし考えるのであれば、Mustを特定の会社に求められる仕事とするのではなく、社会として解決しなければならない課題で自分が興味があるものをMustとおいてイメージした方が良いと思います。

社会として解決しなければいけない課題をMustにおいて、その上で自信のWillを見つめなおせば、仕事としてやりたいことが見つかると思います。Willがあれば仕事をする中で、もしくは自身で勉強をする中で成長できるので、Canの輪は後から広げることが可能です。

人は考えを変えることもあれば、成長することもある生き物です。

現時点での考えや能力に固執せずに、自身の可能性を信じてやりたいことが実現できるようなキャリアを選択して欲しいと思います。

Will、Can、Mustの3つの輪のフレームワークを使う時には、上記の点、十分に注意して使われると良いと思います。

動画でも解説していますので、是非見て下さい。


〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉

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