『イーロン・マスク 未来を創る男』(アシュリー・バンズ著 斎藤栄一郎訳)を読みました。
著書のイーロン・マスク評に関して、著書の一部を紹介します。
『非現実な目標を掲げ、言葉で従業員にプレッシャーをかけてこき使っても、すべては火星計画の一部だと受け止められる。そこが魅力だとマスクを慕う従業員がいる。逆にマスクを嫌う従業員もいるのだが、行動力や使命感に対する敬意から忠誠を守っている。シリコンバレーの起業家の多くは「社会的に意味のある世界観」が欠けているものだが、マスクには確たる世界観がある。
誰にも真似ができないほど壮大が夢を追う天才だ。蓄財に現を抜かすCEOとは一線を画する。マークザッカーバーグの目指したものが、可愛い子供を世界に披露できる場所だったとすれば、マスクは何を目指しているのか。人類を自滅行為や偶発的な滅亡から救うことだろう。』
イーロン・マスクの魅力は、彼の発言や行動が「社会的に意味のある世界観」に従って取られていると思える部分なのだと思う。
誰でも小さい時に一度は理想の世の中を思い描き、非現実な将来や突飛な夢を見たりするものですが、歳を重ねるごとに考えることが現実的になり、保守的になり、自分の能力を過小評価して、新しい挑戦をすることのリスクにばかり目を向けてしまうようになる。
自分の能力でできるか、できないか以前に、そもそも「社会的に意味のある世界観」を持って自分の人生を企画しているかどうかの方が重要で、多くの人が「社会的に意味のある世界観」を考えることを「どうせ自分の能力ではできないから」と諦めてしまっているように思う。そうであるからこそ、イーロン・マスクの様な人を魅力的に感じるのだろうし、彼の夢に多くの人が投資を惜しまない。
考えることは自由なのだから、もっと自由に発想して良いと思う。
一度、自分でできるできないを度外視して、将来世の中がどうなっていたら今よりも良い社会になったと言えるのか考えてみたい。その理想に対して自分がどんな仕事ができるのか考えてみたい。
一度、目先のことは横に置いておいて、長期的な視点で人生と仕事を企画すると、本当に意味のある良い仕事ができるように思う。
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@saitoseiji0124)〉