書評

『転職の思考法』を読んで

どうもどうも。

早稲田大学2年の蛯名と申します。自己紹介はまたべつの機会にじっくりとしたいと思います。

本日は商学部の図書館で借りてきましたこの本。

知り合いの社会人の人事の方も名著と言っていたので読んでみました。

『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』北野 唯我 著

20代は専門性30代は経験をとれ

これは本書の中で、その世代に優先すべきことを言っていて、20代のうちに専門性を高めることで、30代に経験を獲れるようになるということだ。

一般に経験の方が誰でも得られそうで専門性の方が貴重に感じるかもしれないが、そうではないというのがミソだ。そもそも貴重なプロジェクトなどの経験は専門性のあるやつにしか回ってこないから、結果的にこのような優先順位になるのだ。

これに関して自分も同じようなことを最近考えていた。先日こちらの説明会に行ってきた。

『立教大学大学院 経営学専攻 リーダーシップ開発コース』

ひとと組織に特化した大学院で2020年度に向けて1期生が募集されている(自分が知るきっかけとなった立教大学の教授である中原先生のブログもすごく興味深いのでぜひ)。

『中原先生のブログ』 

というのも、大学生なりに専門性を考えた時に「大学院じゃね。」と思ったからである。(笑)

それだけでなく、現状の就活システムとしてメガベンチャーなどの会社は新卒に加えて、中途で他社で経験を積んだ人をとることが多いからである。中途と新卒との大きな違いは、中途組は明確に「私は何屋です。」と専門性を示して転職活動をする点である。本書ではラベルと表現されていて、その重要性が説かれている。

『「これからの時代にどんなやつが強いかわかるか? それは個人として『ラベル』を持っているやつだ。『ラベル』とは、自分だけのキャッチコピーのようなものだ。組織が、個人を守ってくれる時代は終わった。いつ会社から放り出されるかわからない。そのときにひとつでもいいから個人としての『ラベル』を持っていないと、君は完全なコモディティ(代替可で飽和した人材)になる」』

上記にもあるが、これからの時代にどれだけ会社と対等な位置で働けるか。というのは非常に重要なのである。それを踏まえて、自分は教育に関心があり、組織づくりについて考えるのが好きなので、ひとと組織に関して知見を持った人材として、市場に入ることでより主体的にキャリア形成していけるのではと思っている所存なのである。

また、自分が興味ある分野として上にあげたようにチームビルディングがあるのだが、そもそも20代である程度の会社に入ってここに携わる、またチームを率いるって至難の技だよなあというのもある。管理職のやることだからね。

とまあつらつら書いてきたが、これもまた会社に働かせてもらっているという前提から市場に存在する独立した存在として自己を認知するという認識の転換を起こすことが必要であり。これさえわかればこの本を読まなくてよい(嘘)

大手を疑ってみる

私は大学2年生なので、就活についてたまに考える。たまにというのは2日に一度くらい。一年生の時は自信満々マンであり、尖った先輩の影響を受けて「就活しないで仕事したい。」とか言っていた。まあそれは置いといて、このブロックで考えたいのがこれだ。

「ステータスとか安定とかを求めて大手に行くのは嫌だ。それは思考停止だと思う」。

とかみんなの前では言ったけど、ベンチャー行くって言ってもどこ行けばいいのかわからんし、イケイケだし。新卒はゴールデンチケットとか言うし、大手で経験積んでから考えればいいのかな。

問題である!

これだ。という前置きの前にこんなに歯切れの悪い文言が並んだのを見たことあるでしょうか。

しかし、早稲田生なら誰もが一度は考えたことがあるのではないだろうか。

この問題について、第1章の『仕事の寿命が切れる前に、伸びる市場に身を晒せ 「一生食える」を確保する4つのステップ』で示されている思考法を活かして考えてみようと思う。ここで重要なのが、仕事というのは生まれて消えるものであるという認識。AIが仕事を代替することで、多くの仕事が不要になるという言説はたくさん聞いたことがあると思うが、そもそも仕事は永続的にあるものではないのである。例えば広告代理店というのは新聞や雑誌の広まりに伴って生まれたし、プログラマーという職業もインターネットが普及したからこそ生まれた職業である。

そしてこの章で書かれているのは、仕事を始める人が出てきた状態をニッチと表し、その仕事を徐々に汎用化する優秀な人が出てきて、その仕事はルーティンワーク化し最終的には機械化が進む。つまりその仕事は消滅する。この4つのサイクルを『仕事のライフスタイル』と読んでいる。仕事の消滅とは、その機能がなくなることではなく、人が担う部分がなくなることを意味するのである。また、それによって伸びている業界で働いたことがあるだけでバリューが生まれるのである。例えば2010年以降スマホゲーム市場が急激に盛り上がったが、当時、その流れに後発の会社はスマホゲーム事業を立ち上げるときには、シンプルにスマホゲーム会社での経験がある人材を欲しがった。

ここからわかるのは、たとえ大企業であっても、マーケットが衰退に向かっており、仕事がルーティンワーク化されている場合は非常に危険であるということ。つまり、ルーティンをこなすだけなので、実務による成長が期待できないし、会社全体の経営は危うくなくても、機械化による失業の可能性がある。さらに転職時にも、その分野のメソッドは飽和しているため、業界内でも活かせない。

言い換えると、大企業であっても、どんな仕事をしていて、それがどの段階の仕事なのかを判断し、また業界の伸び代まで考えなければならないということ。ではないだろうか。

うーん。

こう書いては見たものの、頑固上司に(誰?)

「現場で働いたこともないやつがなにを言っとる!」

と怒られそう。

まあそんなことは気にせず、想像できることは、つまり実現できることなので!

がんがん妄想していきましょう。

他に蛯名的に思ったこと。

のちのち、ほかの記事で書きたいと思うのですけれども、僕には誰もがプロサッカー選手のようなキャリア形成が出来たらいいし、自分もしたいなあという思いがあります。

この本を読んで改めて、その必要性を考えることになりました。

簡単に言えば僕の構想の大事な点は「サッカー選手は会社と対等な位置にあり、クラブ側も意図を持って選手を獲る」ということ。

つまり互いに主体性を持っているんですよね。この本の中でも

『上司を見て働くか、マーケットを見て働くか』

というのがメッセージとして込められています。

でもなんで、企業で働いている人が主体性を持たずに、上司を見てしまうのか、そして一方サッカー選手は会社と対等な位置を築けるのか。

それはあきらかに個々のプレイヤーの能力の測定方法の違いから来てると考えています。

サッカー選手はどうやって評価されますか?

試合ですね。(笑)

例えばイングランドのプレミアリーグでは世界中に試合が中継され、次の日には誰が活躍したのかのニュースが流れる。そうして、その選手たちが所属しているチーム以外の人も評価することが可能になる。

しかーし!

会社員の方々はどうでしょうか。

ある営業の人が大口の受注をとってきても、その会社、広くてもその業界の人にしかその「ニュース」は伝わらないでしょう。

それによって自分を評価してくれる対象が会社しかいないので、サッカー選手との差が生まれる。

なんの差だよ。(笑) と思いますが、近々これについて詳しく書こうかと思います!

ゆるゆるとこれからも文章を書いていこうと思います。

そして生活は続く・・・

〈文=早稲田大学 政治経済学部政治学科 2年 蛯名 健人(note, Instagram, Facebook,ライター自己紹介記事)