突然ですが、皆さんは読書好きですか?
(私自身を含めて)本を読むことが好きな人もいる一方で、活字を読むことが苦手な人もかなり多いと思います。
そうした方々が、なぜ「活字アレルギー」になってしまったのかといえば、それはズバリ「本を読むこと自体が目的になっているから」ではないでしょうか?
漠然と「本を読むことっていい事だよね」とだけ考えていたら、そう感じてしまうのも当然です。
読書によって果たして何が起こるのか、はっきり理解した上で読めれば、読み方が変わり、読書に対する認識も変わると思います。
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目次
1.「本を読む目的」の定義
2.知識の「所有」から「利用」へ
3.「読破しなきゃ」からの脱却
4.「読書ノート」のすすめ
5.まとめ
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1.「本を読む目的」の定義
なぜ読書をつらいと感じるのでしょうか?
先ほど少し話した通り、「本を読むこと自体が目的になっていること」が原因の一つとして考えられます。
こうなると本を読むことに価値を感じられず、読書つらいという声が挙がってくることになると思います。
なので、「本を読む目的」を明確にしておく必要があります。
とはいえ「読書の目的」は人それぞれ、十人十色あってしかるべきだと思います。
勉強のため、シンプルに好きだから、暇つぶしのため、周りと会話をあわせるため…などなど。
それは全然いい事だと思います。
しかし話を先に進めるためにも、ここでは一つ「本を読む目的」を定義したいと思います。
その定義とは
「新たな知識を得て、自分の考え・認識・行動・生活に変化を起こすこと」
というものです。
2.知識の「所有」から「利用」へ
なぜこのような定義にしたのでしょうか?
次の例を考えてみましょう。
AさんとBさんが、「睡眠」にまつわるある本を読んでいました。
Aさんは頭からお尻まで全ページ読破しましたが、Aさんの生活は読書の前後で全く変わりませんでした。
一方のBさんはというと、1ページしか読みませんでしたが、そのページの知識を実践し、睡眠習慣を改めました。
AさんとBさん、どちらがより賢い読者でしょうか?
お金と同じで、知識も使って初めてその価値を発揮することができます。
つまり、得た知識をしっかり利用し、自分の生活を変化させたBさんの方がより賢い読者と言えそうです。
Bさんのような賢い読者になるためには、「本を読むこと」自体を目的にしてしまうのではなく、「知識を使って自身を変化させること」を目的とすればいいのです。
3.「読破しなきゃ」からの脱却
「本を読むこと」自体が目的になると、「本は最初から最後まで読まなくちゃいけない」という強迫観念に縛られてしまうと思います。
完璧主義・几帳面な方ならなおさらです。
しかし「自分自身の変化」を目的にしていれば、表紙からあとがきまで全部を読むことに特別な意味はないことが分かります。
これはあくまで一例ですが、知識の「利用」を心がけると次のような読書スタイルになるでしょう。
・全体を読む必要は皆無、「拾い読み」でもOK
・既知の箇所は読む必要性が低いので飛ばす
・読書によって生じた、自分の考え・認識の変化を大切にする
・その変化を、いかに行動・生活に反映させるか考える
・実際に適用してみる
・適用した結果を見て、知識が正しかったか否かを検討する
といった風に、本の知識が実生活に結びついてくると思います。
私自身も本を読むのは好きで、月平均10冊ぐらいは読んでいると思いますが、10冊全部を読んでいるわけではありません。
自分が知りたい内容や、面白そうだと思った部分だけを読むことが多く、最初から最後まで読むのは10冊のうち2冊くらいです。
4.「読書ノート」のすすめ
これまでの話を踏まえて、私がおススメしたいのは「読書ノートを作ること」です。
この読書ノートに
・本のタイトル
・読む前後の考えの変化
・生活の中で反映させたいこと
といったことを書き留めておけば、より自分の変化を実感できると思います。
たくさん書くに越したことはありませんが、量が重要なのではありません。
簡潔にでも文章の形にして、「自分自身の変化」を明確にすることが重要です。
例えば、先ほどの例に出てきた「睡眠」にまつわる本を読んで、読書ノートを書くとします。
・本のタイトル:
「○○大学教授が教える!睡眠改善の極意」
・考えの変化:
「強い光刺激は睡眠へ悪影響及ぼす」
・生活への反映:
「今まではベッドに入ってから動画を見ることが日課になっていたが、寝る前1時間はスマホを見ないようにする」
簡単な例ですが、こんな感じで書いていけばいいと思います。
Twitterなどを利用してもいいかもしれません。
5.まとめ
・「変化」を起こすための読書
・知識の「所有」ではなく「利用」へ
・読破する必要はない
・変化を明確にするには「読書ノート」がおすすめ
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いかかだったでしょうか?
「読書はちょっと苦手です…」という方の、読書に対するハードルが軽くなれば幸いです!
〈文=早稲田学 先進理工学部応用化学科 2年 千島 健伸(note)〉