『TIME TALENT ENERGY』を読んで、人の配置と働き方について考えました。
著書には、組織の生産力を最大限引き出すには、以下の3つについてそれぞれ気をつけなければならないと書かれています。
①TIME:時間
- 無駄なメールのやりとりや会議に時間が使われている。
- 安易に新しい部署や役職を増やすことで本来必要である以上のコミュニケーション求められ、それに時間が使われている。
②TALENT:人材
- アンケートを取るとどの企業でも15%程度のAクラス人材(優秀な人材)がいる。
- 良い会社と普通の会社の違いは、Aクラス人材の使い方で、良い会社は戦略上重要なチームにAクラス人材を集中して配置しているのに対し、普通の会社は戦略上の優先度に関係なくAクラス人材を部署ごとに平均的に配置している。
③ENRRGY:意欲
- 会社の理念と整合性のある制度が社員のやる気を高める。
- 従業員のやる気と業績は不可分の関係にある。(当然やる気がある従業員が多い会社の方が業績が良く、業績が良いからこそ従業員もやる気になる)
- 良いリーダーは業績を上げることと、他者をやる気にさせることの両方に秀でている。
人材の活用に関係して、ネットフリックスの人事責任者の言葉が書かれており、示唆に富んでいると感じました。該当部分を以下に引用します。
1998年から2012年まで同社の最高人事責任者を務めたパティ・マコードは、次のように語る。「社員にしてあげられる最高のご褒美は、フットボールの観戦チケットを配ることでも寿司を振る舞うことでもない。彼らの同僚として一流の人材だけを採用すればいいのだ。優秀な同僚はすべてに勝る」。
せっかく優秀な人材が採用できたとしても、チームにいる他の従業員のやる気が無かったり、もしくは役割として、周りの従業員をフォローし続けなければいけないような仕事を与えられれば、どんな優秀な人材でもやる気を無くしてしまうものです。
もちろん優秀な人材は他者を教育して、やる気にさせる能力にも秀でており、その点においても組織の中で一定以上の成果は出すのだと思いますが、社員を教育することができる高い能力があるのであれば、その能力を社外に対して使えるように会社としては配置する方が良いケースもあるはずです。
会社を経営されている方であれば、社内のAクラス人材は誰で、本当に会社にとって重要と言える仕事を行っているか、配置は適切か考えてみると良いかもしれません。
会社に属している方であれば、自身の能力が最大限使えているか考えてみて、より重要度の高い仕事ができるように上司にかけあってみるのも良いかもしれません。
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@saitoseiji0124)〉
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