株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。
副業や兼業を認める企業が増えてきているというニュースを最近目にする機会が多くなりました。有名な企業で言うと、ロート製薬、サイボウズ、ヤフー、リクルート等が副業や兼業を許可制や届出制などで認めています。
そもそもなぜ多くの企業で副業や兼業が禁止されていたかというと、副業や兼業をすることで本業に支障がでる可能性が高いから。というのが主な理由になります。
(企業全体で副業・兼業を認めていない割合は85%程度なので、まだまだ副業・兼業を認めている企業は少ないです。)
1日8時間、週5日勤務で副業や兼業を認めれば、平日の夜や土日に本業ではない仕事をすることになります。十分に休憩が取れない可能性があるし、本業の方で残業をしてもらいたくても副業の方で始業時間が決まっていれば、本業の方で残業することは出来なくなるかもしれません。どうしたって本業に支障がでることが予想されます。
それではなぜ最近、副業や兼業を認める会社が増えてきたのでしょうか。
企業側が副業や兼業を認める2つの理由
- 1つ目は、人材不足を補う採用をするためです。
副業・兼業を認めることでフレキシブルな働き方をしたいと考えている方を採用する。もしくは定着させる効果があると考えられます。最近の好景気によって多くの企業が人材不足を感じています。副業・兼業を認めることで今まで採用できなかった人達を採用し、定着しなかった人達を定着させたいという思惑があります。
- 2つ目は、優秀な人材を採用するためです。
作業時間に応じて成果がでるような仕事については、長時間働いてもらう必要があるため1日8時間、週5日勤務をしてもらいたいと会社は考えています。そうではなくて企画力、マネジメント力、特殊なスキルを持った人は時間に応じて成果がでるような仕事ではなくて、短時間でも成果を出せる仕事を行う人達になるので、フルタイムで会社にいてもらう必要はありません。そういった特殊技能をもった優秀な人材を副業・兼業を認めることで採用・定着させたいという思惑があります。
労働者側が副業や兼業を希望する2つの理由
- 1つ目は、複数社、複数業務を経験することによるキャリアアップです。
仕事の幅も広がりますし、労働市場で自分がどの程度評価されるか複数社で働くことで分かるようになります。
- 2つ目は、所得の増加です。
副業・兼業によって本業以外からも所得が発生しますので一つの会社で働く時よりも所得が増加することが考えられます。
まだ、そこまで副業・兼業が普及していませんが、将来副業や兼業をしたいと考えている人は、労働者人口の50%程度いるようです。
個人的には選択肢が増えることは良いことだと思うので、1社でがっつり働きたいという人はそういった働き方をしたら良いし、副業・兼業をしながら働きたいという人をそういった働き方を選択したら良いと思います。
多くの場合、世の中に選択肢が増えることはプラスの影響があると思います。ただし、その一方で選択肢が増えたことで不幸になる人達がいます。選択肢が増えたことで、○○を選択したら間違いないという生き方は無くなってくるからです。自分の幸せのために、自発的に選択できない人は選択肢が多い世の中は不幸かもしれません。
私は、副業・兼業を認める会社が今後増えていくことは間違いないと思います。
その中で、自分の働く場所、働き方を自発的に選択していく力が、良く生きるためには今まで以上に求められるようになるでしょう。
世の中の動きに合わせて、私たち一人ひとりも変わっていかなければならないと思います。
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@saitoseiji0124)〉
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