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『人の成長を信じること』の効果、『成長を信じさせること』の効果

株式会社シグマライズの斎藤です。

「なぜ稲盛和夫の経営哲学は、人を動かすのか?」なる本を読んでいます。

その中で、教師の思い込みが、生徒の成長を左右するという話しがあり、組織の中で人と接する際にも同様のことが言えると思いましたので、紹介します。

(以下、「なぜ稲盛和夫の経営哲学は、人を動かすのか?」より引用)

小学1年の3クラスの子どもたちに能力判定テストを受けてもらいます。その後で、各クラスで約2割の子どもたちをランダムに選び、そのクラスの担当の教師に、「この子たちは、才能が開花する潜在能力を持っている」と伝えます。能力判定テストの結果と「才能が開花する」子どもとは、何の因果関係もないのですが、教師に特定の子供は「才能が開花する潜在能力がある」と思いこませるのです。

当然ですが教師たちは、それぞれのクラスに「才能が開花する」子どもたちがいると思い込んで授業を進めます。8ヵ月語後に、子どもたちのIQに変化があるのか調べてみると、「普通」とされた子どもたちのIQの変化は、12ポイントとなりましたが、「才能が開花する」と教師が思い込んでいた子どもたちのIQは27.4ポイントと、15.4ポイントも高くなりました。教師が勝手に「才能が開花する」と思い込んでいた生徒たちは、飛躍的に能力を伸ばすことができたのです。

(引用終了)

引用した話は、教師の期待によって学習者の成績が向上するという、教育心理学では「ピグマリオン効果」と呼ばれるものだそうです。

会社組織でも上司が部下に期待することで、「ピグマリオン効果」が起き、実際に部下が期待に応えたり、成長したりすることがあると思います。

上司は、良き管理者であると同時に良き教育者であるべきです。上司は教育者として、常に部下の潜在能力を信じ、成長を信じ、変化を信じる必要があります。それが結果として、部下の成長を促し、組織にプラスに働きます。

また、視点を上司から部下へ移してみると、部下自身の成長は、ある意味上司に期待してもらうことと関係していることになります。上司が部下に期待するかしないかは、上司の問題であると同時に部下の問題でもあります。上司に期待されるような考え方、発言、行動をとる必要があります。

さらに目線を広げてみると、上司、部下だけでなく、同僚や、仕事以外の人間関係の中で、どれだけ周りに自己の潜在能力を期待されているかが、自己の成長と関係していると考えることができます。上下関係の中だけでなく、横並びの関係でも同様に、周りから期待されればされるほど、自己の成長があるはずです。

教育者や上司や同僚や家族から期待をされれば、期待をされないより成長できるということは、教育者や上司や同僚や家族に期待をさせれば、より成長できるということです。

ちなみに「ピグマリオン効果」の反対は「ゴーレム効果」といい、ダメな奴だと思って人を育てると、ダメになってしまうことを言うそうです。

常に「ピグマリオン効果」が起こるような、組織が成長できる組織であり、良い組織であるはずです。自分自身、あらためて言動、態度、行動を考えてみる必要がありそうです。

みなさんの言動、態度、行動はどうでしょうか。

〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉

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