多くの人が大学受験を経験することと関係があると思うのですが、多くの就活生が「特定の企業に採用されること」を目標にしていると感じることがあります。
大学受験と就職活動を同型の活動と捉えていて「一定期間集中して取り組めば良い活動」と考えているふしがあるように感じるのですが、これを読んでいる方はどう感じますか?
日本の大学は、一度入学してしまうと、よほどのことが無い限り進級できたり、卒業できるという構造になっていて(かくいう私は、大学に行かない時期があって、大学自体は1年留年して5年間通っているのですが、、、よほどのことがあったのだと思います。。。)入学するのが一番難しく、進級や卒業はそこまで難しくないという実情があります。
就職活動も、競争率の高い会社に採用されようと思えば、企業のことを調べたり、面接練習をしたり、OB・OG訪問をしたり、ととても大変です。人気の企業に入るのが大変な構造は、人気の大学に入るのが大変な大学受験の構造と確かに似ていると思います。
ただ、大学受験と就職活動で大きく違うのは、就職活動の方は、採用されることも大変ですが、そのあとの仕事もとても大変だということです。大学受験のように、入学試験の勉強は大変だけれど、入学した後はそこまで大変ではない。という構造ではないです。
本質的に「大学はお金を払ってインプットをする場所」であり、「会社はお金をもらってアウトプットをする場所」という違いがあります。大学でインプットの量が期待よりも少ないということで怒られることはほとんど無いと思いますが、仕事においてアウトプットの量が期待よりも少ないということで、怒られる(直接的に怒られないかもしれませんが、評価が下がる、とか顧客や同僚からクレームが入るとか)ことは普通にあります。
なので、タイトルに戻りますが、“就職活動のゴールを「特定の企業に採用されること」に設定しない方が良い”です。
「特定の企業に採用されること」をゴールに設定してしまうことで、入社後、採用されることよりも大変なことが多い仕事をとても辛く感じるはずです。(新入社員の入社後3年の離職率が平均30%程度と高い理由の一つが、そういった就職活動時のマインドセットにあると感じます。)
「特定の企業に採用されること」に設定するのではなくて、「特定の企業で活躍すること」に設定すると良いです。
「採用される」という受動的な考えから「活躍する」という主体的な考えに変えることで、採用された企業で活躍する自分を想像することになるはずです。
そして、活躍するための努力や困難も同時にイメージすることになるはずです。
これは、活躍するための努力や困難もイメージをしていた方が、個々人の精神衛生上良い。という話だけではなく、企業の採用担当者もまた、選考の過程において、候補者が自社で活躍できるイメージが湧くかどうかを評価の対象とするので、選考においても有利になります。
皮肉なものですが、「特定の企業に採用されること」そのものにフォーカスして就職活動をされている人よりも「特定の企業で活躍すること」にフォーカスして就職活動をされている人の方が選考の過程において評価されやすくなる。というジレンマがあるということです。
今回の記事で主にお伝えしたかったのは以下の4点
- 就職活動に特定の企業に採用されることを目標にしない方が良い
- 採用されることよりも仕事をすることの方が大変
- 採用されることではなく、活躍することを目標にした方が良い
- 結果、その方が特定の企業に採用されやすくなる
皆さんはどう考えますか?
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉
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