最近では大学生で在学中に起業をしている人、卒業後に起業をしようと考えている人などが様々なメディアに取り上げられ、話題にも多く上がってきています。
しかし、在学中や卒業間もなくしての起業は金銭面、経験面、社会的信憑性など様々なリスクやデメリットも伴ってきます。
その為、多くの方は一度社会に出て経験や知識を身に付けた上で、起業を考える方が多くいます。
就職活動の際にも、起業を考えるほど仕事への意識が高い人の方が内定を獲得しやすいと思われがちですが、思わぬ落とし穴もあります。
今回はそんな“将来起業を考えている就活生”に向けて書いていきます。
目次
- 企業が欲しい人材とは
- 1人採用するのに掛かるコスト
- 結論
- 起業したいと言われて企業が思う事
- まとめ
1.企業が欲しい人材とは
・能力がある、意欲が高い
そもそも企業はどういう人材を欲しているかと考えてみたときに、もちろんその会社にとってメリット・利益をもたらしてくれる様な能力の高い人材。仕事を早く覚えて一人前になってくれる人材です。
そう考えると、「起業するくらい意識高い人なら会社にメリットでしょ。」と思うかもしれません。
たしかに、意識が高ければ仕事も早く覚え、一人前になるのも早いかもしれません。
しかし、そこには一つ大きな違いがあります。
・長く働いてくれる人
正確にいうと、企業が欲しいのは会社に利益を“もたらし続けてくれる人”です。
これも至極当たり前の事で、会社としてもせっかく仕事を覚え、ドンドン利益をもたらしてくれるようになった人が「起業するから会社辞めます!」となってしまったら、将来的に見込める利益やその人材を採用した際の費用、雇用するのに掛かっていた費用等が全て無駄になってしまうのです。
2.一人雇用するのに掛かるコスト
・給与や保険の費用
人材を1人雇用するのに掛かるコストについて考えてみましょう。
例として、月20万の社員を1人を1年間雇用する為には、社員の1年分の給与や社会保険料、労働保険料など合わせて350万前後にも及びます。それに加え採用するにあたって掲載した、求人媒体への掲載費も考えると、400万、500万も掛かるケースもあります。
・既存社員の時間コスト
また、掛かるコストは何も費用だけでなく、採用するまでの人事の時間、入社後に指導に当たる人材の時間などの時間的コストも掛かってきます。
その為、入れ替わりが激しい会社ほど、人事が1から会社の事を説明したり、入社後の手続き、配属部署でも仕事内容を1から指導するなどの作業を何度も繰り返すことになり、作業効率が悪くなっていってしまいます。
3.結論
・基本的には良い印象は持たれない事が多い
ここまでの事を考慮した上で結論を出すと、基本的に「起業したいです!」と面接時に発言してしまうのはマイナスイメージを持たれやすいですが、中にはNGではない企業もあり、むしろプラスに捉えてくれる企業もあります!
また、面接時に起業を考えていると発言した際に「どのような事業を考えているの?」「どういった戦略で進めていくの?」など質問をされると、「入社して得た経験や知識を元に考えるつもりです。」などのなんとなくの回答しかできないのがほとんどです。
そんな中で、「○○の業界がこういう状態なので、それに対してこういった戦略で進めるのがいいなと考えています。」など数字やデータを元に業界の背景をなどを加味して明確なビジョンを伝えられるほど意欲の高い人であれば採用される確率が高くなるケースもあります! 要は、いかに自分の発言に向き合っているか、責任を持っているかが大事ということです。
・起業NGではない会社の特徴
では、起業に対して否定的ではない会社の特徴をいくつか挙げていきます。
①求人媒体で”独立支援”や”起業支援”などの記載がある企業
これは大々的に打ち出していることもあり、社内で揉めた事がきっかけで独立するなど、よっぽどでもない限り起業に対して否定的にはなりません。
②副業やリモートワークなどに寛容な企業
副業やリモートに対して寛容な企業は働き方から見ても、社員の自由や意向を重視する傾向もある為、基本的には独立に対して否定的にはなりません。
また、これと逆に言えるのは、“副業禁止”と決まりのある会社に関しては、独立に対してあまりよく思わない企業が多いです。
副業禁止というのは、副業をする事で会社での仕事が疎かになり、仕事に支障を来さない様に禁止しているところがほとんどの為、あまりよくは思わないでしょう。
4.起業したいと言われて会社が思う事
・起業したいと言われて会社が思う事
「起業するのなんて個人の自由じゃん」「なんで起業することがダメなの」と思う方もいるでしょう。
しかし、「起業を考えている」という発言がどういう事を意味するのか、会社側の立場に立って考えてみましょう。
会社側からすると、「将来的に起業する」=「数年後に会社を辞めます」「会社で技術をもらって他で活かします」と言われているのと同じことなのです。
これだと、先ほど書いた“長く利益を出してくれる人材”にはあてはまりません。
・恋愛に例えると
皆さんの身近な話でわかりやすく恋愛で例えてみましょう!
例えば、あなたが好意を寄せる異性がいたとします。その異性から「数年後には別れるけど付き合ってほしい。」と言われたらどう思うでしょう。ほとんどの人が、「え?そのうち別れるなら意味ないじゃん。それならちゃんと付き合ってくれる人探すよ。」と思うでしょう。
つまり企業からしたらそう言われているのと同じなのです。
5.まとめ
昨今の日本では、起業が以前よりも手軽にできるようになっていますが、それでもなお日本の7割以上は起業に関心を持っていないとも言われています。
その為、日本人自体が海外に比べても起業に対してのイメージが良くないことも言えます。もちろん起業を考えるほど仕事や社会に対しての意識は高いことは本当に素晴らしいことでが、時と場合によっては、意識の高さだけはしっかりアピールをしつつ、起業を考えていることは控えた方が良い場面もあると言えます。
皆さんも企業に応じて回答を用意しておき、有意義な就職活動にしていきましょう!
<文=西山 和宏>
当ライターの前の記事はこちら:【意外に知らない!?実は面接官はこういうところを見ている】
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