左利きの割合は、人口の約10%と言われています。私自身もその一人であり、幼い頃から「周囲と違う」という感覚を抱いてきました。右利きが前提の社会では、ハサミなどの道具が使いづらかったり、食事の席で手がぶつかったりと、日常生活のあらゆる場面で不便を感じます。左利きが自覚する「違い」は、単なる不便さにとどまらず、変わり者とみなされることがあります。
本記事では、左利きの特性や脳の働きに着目しながら、どのようにその個性を活かして職業を選ぶべきかを解説します。
目次
- 左利きが生きる世界
- 左利きの脳の働き
- 左利きの特徴
- 左利きに適した職業と環境
- まとめ
1.左利きが生きる世界
私たちの生活環境は、右利きの人を基準に設計されています。大多数が右利きであることから、世の中のモノは右利き仕様にできています。そのため左利きにとっては、不便を感じる場面が多くあります。
例えば、
- 食事中に隣の人と腕がぶつかる
- 改札でICカードをかざしにくい(読み取り部が右側)
- 机の引き出しが右側にある
- 自動レジで現金を投入しにくい
- はさみや定規が使いにくい
- 野球のグローブ等を共有しにくい
- 握手を右手で求められる
- 蛇口をひねりにくい
このように、右利きの人が意識せずにできることでも、左利きにとっては工夫が必要になるケースがあります。また、幼少期に右利きへの矯正を受けた人も少なくありません。
そして、考え方や行動も周囲と違っていることも多く、 「違和感」を抱えて過ごすことになります。
2.左利きの脳の働き
左右の脳は以下の特徴がありますが、左利きは、右利きと比べて左右の脳の働きに違いがあると言われています。
右脳:視覚的な情報を処理、直観的なイメージを記憶する
左脳:言語を理解する、論理的な思考をする
右利きの人は言語処理を主に左脳で行います。一方左利きの人は、右脳が優位に働いたり、左右両方の脳で処理されます。右脳は、直感や感覚的な処理が得意とされる一方、左脳は言語を処理するのが得意だと言われています。
左手を動かし、右脳を常に刺激している左利きは、右利きの人に比べて「言葉にするのが遅い」傾向があるようです。右脳を経由して左脳で処理する回路であるため、時間がかかるというわけです。実際、私の周囲の左利きの人々にも、言葉にするのがやや遅いと感じるケースがあります。研究でもこうした傾向が報告されています。
また、左利きは、右利きを基準に作られた世の中に適応するため、左右両方に意識を向けています。そのため、外部の刺激に敏感になりやすく、繊細な性格になることがあります。
3. 左利きの特徴
左利きには、以下のような特徴が見られます。
①独創的でクリエイティブな発想
②手先の感覚が優れている
③直観に優れている
それぞれについて解説します。
①独創的でクリエイティブな発想
左利きは、独創的な発想を形にすることが得意です。また、自分の信念を貫くため、周囲に流されにくい傾向があります。変人と言われることもあっても、常識にとらわれない思考や行動をとります。サッカー元日本代表の本田圭佑選手も左利きですが、独特な発想や行動力が注目されています。
②手先の感覚が優れている
左利きは日常生活のあらゆる場面で、右利きの使用の世界でどうやったらうまくやっていけるのかを、常に考えています。日頃から両手を工夫して動かす習慣があるので、手先を器用に動かすことができるようになります。
③直観に優れている
左利きは、左手を動かすことによって常に右脳を刺激しています。アイデアや直観を生み出す右脳が発達し、感覚が研ぎ澄まされるようになります。
4.左利きに適した仕事と環境
左利きの特性を活かすためには、自分の強みを活かせる環境を選ぶことが大切です。左利きであることが大きなハンディにならず、むしろ強みにできる仕事も存在します。
①クリエイティブな職業:デザイナー、動画クリエイター、アーティスト、ライターなど
②手先の器用さが求められる仕事:医師(外科医)、音楽家など
③左利きが有利な仕事:スポーツ選手
このように、左利きは創造力や感覚的な資質が求められる職業に向いている傾向があります。特に、クリエイターでは他とは異なる視点が武器になります。また、リモートワークやフレックスタイム制など、自分のペースで作業できる環境も、左利きの繊細さや集中力を活かす上で好相性です。
また、スポーツの世界では「左利きであること」そのものが競技上の優位性につながる場面もあります。
5. まとめ
本記事では、左利きの特徴や適した仕事について紹介しました。
右利きが基準となっている社会において、左利きの人は日常的に不便やストレスを感じやすい一方で、直観や発想力といった独自の強みを持っています。
歴史を振り返っても、左利きで偉大な功績を残した人は少なくありません。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、アルベルト・アインシュタイン、ビル・ゲイツ、バラク・オバマなどは、左利きでした。
社会の多数派に無理に合わせるのではなく、自分の特性を理解し、その強みを活かせる場を選ぶことが、これからのキャリアや人生をより豊かにしてくれるはずです。
(参考)
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法 加藤俊徳(著)https://amzn.to/4dQK2mh
<文=森 寛衆>
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