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会社員がパーソナルトレーナーの副業を始めるまでの道のり

「趣味の筋トレを副業にしたい」「資格を取得した後、どう行動したら良いかわからない」――そんな方に向けて、私自身の経験をもとに、副業でトレーナー活動を始めるまでの過程を紹介します。これからトレーナーを目指す方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

目次

  1. パーソナルトレーナーを目指すきっかけ
  2. 現場で感じた課題
  3. 資格取得(NSCA-CPT)とその理由
  4. 他の仕事との両立
  5. まとめ

1.パーソナルトレーナーを目指すきっかけ

私がトレーニング指導に関心を持つようになったのは、これまでの経験が大きく影響しています。幼少期から野球に打ち込み、トレーニングは日常の一部でした。その過程でケガをしたり、結果が伴わない時間を経験したことで、自然と「身体」への関心が高まりました。当時受けていた指導では、精神論や根性論も多く、「絶対にもっと効率的で科学的な方法がある」と疑問を抱いていました。

大学時代には、市営のジムでトレーナーとして2年間アルバイトも経験しました。その頃から軽くウェイトトレーニングを始め、少しずつ身体を変えてきました。同時期にスポーツドクターを志す友人の存在や、“最速150km/hを投げる会社員”前沢力さんとの合同トレーニングを経験し、その刺激から「よりトレーニングと栄養を突き詰めたい」という思うようになりました。

2.現場で感じた課題

トレーニングの現場で多くの方と関わる中で、いくつかの課題を感じるようになりました。

  • 誤ったトレーニングや栄養に関する情報が世の中に溢れている
  • 非効率なトレーニングをしている人が多く、正しく指導できる人が限られている
  • 運動したいけど何をしたらいいかわからないという悩み

こうした現場に触れる中で、「科学的かつ目的に応じた指導をしたい」と思うようになりました。

そして、世の中には間違ったトレーニングの情報が出回っています。

例えば、
「ダイエットするなら糖質制限」
「腹筋を割るなら腹筋運動(上体起こし)をやる」
「痩せたかどうかを体重の増減で判断」
といったものです。

ダイエットといえば糖質制限のイメージが強いですが、過度な糖質制限はリスクを伴います。また、「腹筋を割るために腹筋運動をする」というのもあまり効率的ではありません。実際には大きい筋肉を使った運動、特にスクワットのような消費カロリーの高い運動の方が効果的です。

さらに、ダイエットの進捗を体重の増減だけで判断するのも危険です。多くの人にとっての「痩せたい」は「体脂肪を減らすこと」を意味します。トレーニング初心者であれば、体脂肪を減らしながら筋肉を増やすことも可能であり、結果的に筋肉量が増えて体重が増えることもあります。大事なのは、体重という単なる数字ではなく、実際の身体がどう変化しているのか、ということです。

このように、一般的に広まっている知識と最新の正確な情報には差があります。このギャップを埋めるには、トレーナーの指導が不可欠であり、エビデンスに基づいた正しい知識を持つことと、一人ひとりの目的に応じた指導ができることが求められています。

3.資格取得(NSCA-CPT)とその理由


トレーニングを継続するなかで、知識が深まるにつれ、「自分の理論や発言に説得力を持たせたい」と思うようになりました。そこで選んだのが、NSCA-CPTの資格取得です。NSCA-CPTは、全米ストレングス&コンディショニング協会が認定するパーソナルトレーナーの資格です。2023年に取得後は、周囲の見る目も変わり、同僚や友人に対して、トレーニングや食事に関するアドバイスをする機会も増えていきました。パーソナルトレーナーの活動に資格が必須というわけではないですが、体系的に学んだうえで信頼性を高めたい方には強くおすすめします。

4.他の仕事との両立

大学卒業後、フィットネスとは別の業界に就職し、現在は社労士法人に勤務しています。平日は正社員として働きながら、土曜限定でパーソナルトレーナーとして活動しています。

会社員でトレーナーの副業を検討している方の多くは、趣味の筋トレで副収入を得られることに魅力を感じるのではないでしょうか。もちろん、多くのメリットがある副業ですが、一方でいくつかのデメリットも存在します。

メリット

  • 気分転換になる
  • 副収入を得られる
  • 現場経験を積むことで、スキルが上がる

デメリット

  • セッション数が限られる
  • 睡眠時間が減る

副業トレーナーとして活動するメリットは、気分転換になることや副収入、スキルアップなどが挙げられます。

しかしトレーナーとして活動するには、セッションそのもの時間だけでなく、移動や準備、勉強も必要で意外と体力を使います。副業(複業)で活動しているため、「片手間」「素人」と思われないことが大切です。信頼されるトレーナーになるために、知識や指導方法のインプットは欠かせません。まずは1日3件程度のセッションからスタートし、余裕が出てきてから増やしていくのが得策でしょう。

5.まとめ

筋トレを趣味にしている会社員にとって、パーソナルトレーナーの副業はおすすめの選択肢です。パーソナルトレーナーは資格がなくても活動することができますが、信頼性を高めたい方には資格取得をした方が良いでしょう。特に副業で始めるにあたっては、まず「資格取得」や「活動できる場所を探す」ことが第一歩です。

「会社員だから難しい」「資格を取ったけど活かせていない」
そんな方にこそ、私の経験が少しでもヒントになれば嬉しく思います。

<文=森 寛衆>

当ライターの前の記事はこちら:パーソナルトレーナーの働き方とは?3つの働き方とジム選びのポイント

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