会社からの評価と労働時間、給与について考えてみたいと思います。
例として、以下の①~③の時給、労働時間、月給を見てください。
- 一般社員の1時間あたりの給与が2,000円だとして、月に160時間の労働時間を設定すると、月の給与は320,000円になります。
- A課長さんの1時間あたりの給与が2,500円だとして、月に160時間の労働時間を設定すると、月の給与は400,000円になります。
- B課長さんの1時間あたりの給与が2,000円だとして、月に200時間の労働時間を設定すると、月の給与は400,000円になります。
上記の①と②を比較すると労働時間が変わらず、1時間あたりの給与に違いがあります。一方①と③を比較すると1時間あたりの給与が変わらず、労働時間に違いがあります。
会社から支払われる給与は、各従業員の会社に対する貢献した度合いによって決められると考えると、①より②、③の方が全体の貢献度が高く、②,③の会社に対する貢献度は変わりません。
課長という役職もまた、各従業員の会社への貢献に応じで決められると考えると、上記のケースだと、課長になるためには②、③、の貢献度が求められていると考えられます。
従業員側から考えると、①→②という昇進は、1時間あたりの給与が上がっているため実質的な昇給になります。対して、①→③という昇進は、1時間あたりの給与が上がっていないため実質的な昇給にはなりません。従業員の中には、労働時間が伸びるなら、一般社員の方が良いと考える方もいるでしょう。
企業から昇進を望まない社員が増えて困っているという悩みをよく聞きますが、その問題の根本は、程度の問題はあれ①→③というような昇進構造になっているからです。給与の総額が上がったとしても1時間あたりの給与が同額か、最悪下がってしまうようなことがあれば、多くの従業員が昇進を望まないことに一定の納得感があります。
それでは①→②というような昇進構造にするためにはどうしたら良いかというと、短時間で成果を出せる人間を昇進させるしかありません。そして短時間で成果を出す人は、究極的にはチームを効率的に動かせる人になるはずです。(個人の能力には限界があるため、個人の能力を高めて短時間で成果を出そうとすると一定地点で頭打ちするはずです。)
問題は、実際には、チームを効率的に動かせる人が絶対的に不足しているために、①→③というような昇進構造を取らざるを得ない会社が多いことです。
企業の機械化、省人化が進む中で、必要とされる人材がまさにチームを効率的に動かせる人材です。
従業員側からしても、労働時間を延ばすことで給与の総額を増やすのではなく、時間当たりの給与を上げることで、給与の総額を増やす、実質的な昇給を勝ち得るために必要なことはチームを効率的に動かせる人材になることです。
会社への貢献度によって給与は上がりますが、貢献度の高め方によっては、労働時間が長くなってしまうことがあります。
労働時間を長くして会社への貢献度を高める企画ではなく、労働時間を長くせず貢献度を高める企画を持つことで、良い昇進や昇給を得られることになると思います。
皆さんの働き方はどうですか?
成果を出すために長時間働く以外の企画を持っていますか?
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉
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