前回の記事では、私が「ノートをとる」行為に対して試行錯誤するようになったきっかけと、個人的に感じるノートをとることのメリットをご紹介しました。
前回の記事はこちら:ノート大好き人間が語るシリーズ① ~なぜノートなのか?~
今回の記事では、「自分にとって新しく有益な情報を、正しく、わかりやすく、楽にノートに落とし込む」ための基本方針をご紹介したいと思います。
目次
- 方針①:「芸術美ではなく構造美を追求する」
- 方針②:「汎用性を重視する」
- 方針③:「楽をするための努力をする」
- まとめ
方針①:「芸術美ではなく構造美を追求する」
私はノートをとる際に、「芸術的な美しさ」を大事にする必要はないと考えています。
ここでいう「ノートの芸術美」とは、たくさんの色ペンを使うことや字を丁寧に書くこと、一ミリのずれもなく線をひくことなどです。
私はこういったノートのとり方を否定しているわけではありません。ただ授業や講演会といった「限られた時間の中で情報を落とし込む」というシチュエーションにおいては、芸術美の追求は裏目に出てしまいます。ノートを取ることの目的はあくまでも、情報を正しく理解して保存することのはずです。
その目的を達成するためには芸術美ではなく、「構造美」を磨くことが大切だと考えています。
ここでは「ノートの構造美」を「情報の関係性が整理され、その関係性がノートに反映されている状態」と定義しています。
先ほど紹介した通り、情報の関係性を意識することは、内容理解を深め、使える形の知識を獲得することにつながります。
少なくとも「ノートをとる」ことに関しては、芸術美ではなく構造美を目指すべきです。
方針②:「汎用性を重視する」
理科の授業を受けている時のことを考えてみて下さい。理科の授業ですから、葉っぱや炎、メダカなど、たくさんの図を書くことになりそうです。
そこであなたは「図を書く時は、現実に即した色を使おう」と考えました。
すなわち「葉っぱは緑」、「炎は赤」、「メダカは黄」といった具合でしょうか。
しかし、現実に即した色を使おうとすると様々な問題が生じます。「土」を表現しようとしたら茶色、「虹」を書こうとしたら紫や青、オレンジ色も必要になってきますね。他にも例を挙げればキリがないです。
情報にはこのような多様性や複雑性があるので、それらを抽象化して本質をとらえる作業が大切になってきます。
本質に着目すると、「情報の関係性の型」はそう多くないことに気が付きます。これは学問分野をまたいだとしても同じことが言えます。
私が紹介するノートのとり方では「いろいろな内容・分野の情報に対して通用する」という汎用性にこだわっています。
「情報の関係性の型」については、今後の記事で詳しくご紹介できたらと思います。
方針③:「楽をするための努力をする」
情報の関係性を意識しながらノートをとる、って実はものすごく大変です。
先生や講師の説明を聞きながら、情報の関係性を整理して、さらに整理した内容をノートの上に落とし込んでいくので、慌ただしいです。
だからこそ、重要ではないところは楽をしたいわけです。
例えば、日本史の授業風景を思い浮かべて下さい。
黒板には「織田信長は1582年の本能寺の変において自害した」と板書されています。
何も考えずに、これと同じ文言を書き写すこともできますが、「1582 本能寺の変→織田信長自害」と表現した方が、文章量は減らしつつも情報量はキープすることができます。
このように助詞を省いたり、記号を使ったり、体言止めを用いることで時間と労力の節約ができます。そして浮いた時間は情報の関係性を整理するところに使うことができます。
他にもノートをとる際に、楽ができるポイントはありますが、今のところは「楽をするための努力」も大切だという事を理解して頂けたらと思います。
まとめ
- 「新しく有益な情報を正しく、わかりやすく、楽にノートに落とし込む」ための3つの方針
- 方針①:「芸術美ではなく構造美を追求する」
- 方針②:「汎用性を重視する」
- 方針③:「楽をするための努力をする」
いかがだったでしょうか?
次回の記事では、最も基本的な情報の関係である「対」について説明したうえで、その「対」関係をいかにしてノートの紙上で表現するか、ということをご紹介したいと思います。
〈文=早稲田大学 先進理工学部応用化学科 3年 千島 健伸(note)〉
当ライターの前の記事はこちら:ノート大好き人間が語るシリーズ① ~なぜノートなのか?~
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