哲学

ソクラテス、ニーチェに学ぶ事象の捉え方

株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。

器用に生きようとする人は、他人との関係や、組織との関係の中で、その他人や組織の良い所だけ受け入れて、悪いと考える所は徹底的に受け入れない。といった生き方をしようとします。

生き方に対する価値観の問題なので、そういった生き方を良い、悪いと判断することは難しいですが、私はそういう生き方は良い生き方ではないと考えています。

哲学者ソクラテスは、そのソクラテス的な弁論法によって、人心を惑わしたという罪で、死罪を求刑されます。ソクラテスの知人や弟子は、彼を助けようと脱獄をさせて、国を出ていくための算段を立てます。そして牢獄につかまっている彼に脱獄を提案するのですが、ソクラテスからはそれは正しい行いではない。と断られてしまいます。

ソクラテスの主張は、要約すると、

「今まで、いつでも国を出ようとすれば、出ることはできたが、それをしなかった。それはこの国の制度を暗に認めていたということだ。そういう状況で、自分に都合が悪い判決が出たからと言って、国を捨てるのは正しい行為ではなく、もし、私が正しくない行為をしてしまえば、私が主張していたことすべてが正しくなかったと国民に思われることになる。」

ソクラテスの正義に対する価値観が良く分かるエピソードだと思います。

また、ニーチェは人生に対して、同様の価値観を持っています。
人生には良いことも、悪いこともあります。良いことだけ受け入れて、悪いことは受け入れないということはできません。良いことを受け入れることは、同時に悪いことも受け入れることだと言っています。

(以下「権力への意志」より抜粋)

 もし私たちがたった一つの瞬間に対してだけでも然りと断言するなら、私たちはこのことで、私たち自身に対してのみならず、すべての生存に対して然りと断言したのである。なぜなら、それだけで孤立しているものは、私たち自身のうちにも事物のうちにも、何ひとつとしてないからである。だから、私たちの魂がたった一回だけでも、絃のごとくに、幸福のあまりふるえて響きをたてるなら、このただ一つの生起を上限づけるためには、全永遠が必要であったのであり――――また全永遠は、私たちが然りと断言するこのたった一つの瞬間において、認可され、救済され、是認され、肯定されていたのでされる。

(抜粋終了)

ニーチェの「永遠回帰」と言われている思考法です。1つの心震わせるような良いことと悪いことは繋がっていて、1つのことを是ととらえるのであれば、全体を是ととらえないといけない。

我々の他人や組織に対する態度はどうでしょうか?
部分的な良し悪しに注目して、全体に目が向いていないことがあるのではないでしょうか?

ソクラテスやニーチェなど、先人の考えには、良く生きるためのヒントがあります。
どのように生きるのが、自分の正義にかなうのか、参考にしてもらえればと思います。

〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉

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