株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。
GW中にツイッターで自己PR、ガクチカ、ES添削の募集を募ったらかなり多くの方からご依頼頂きまして驚きました。
(当社が運営しているシグマインターンのツイッターのアカウントはこちらです。)
自己PR、ガクチカの添削は1つ約30分~1時間、ES添削は1時間~2時間ほどかかるので、1日で取り組める数には限りがあります。(昨日7件やったらめちゃくちゃ疲れました。)
でも、多くの就活生にニーズがあることも分かったので、こちらの記事で実際に依頼を受けて添削をした自己PRとガクチカを紹介することにしました。
自己PRとガクチカについてどうやって書いたら良いのか分からない。もしくはどういう点に注意して書いたら良いか分からないという方には参考になると思うので、是非読んで下さい。
目次
- 1.自己PR、ガクチカ作成時のポイント
- 2.添削前の自己PR紹介
- 3.添削後の自己PR紹介
- 4.添削前のガクチカ紹介
- 5.添削後のガクチカ紹介
- 6.まとめ
- 7.おまけ~文章構造と面接対策~
1.自己PR、ガクチカ作成時のポイント
【自己PRやガクチカを書く時の文章構造のポイント】
PREPかPDCAに当てはめて書くと分かりやすく、また後述しますが面接対策がしやすくなります。
- PREPとは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(事例、具体例)、Point(結論を繰り返す)の頭文字で、明確な文章やプレゼンテーションを作成する際に使われる方法になります。
- PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(再実行・改善)の頭文字でビジネス上でよく使われる仕事を適切に行うために使われる考え方になります。
【自己PRやガクチカを書く時の内容注意点】
エピソードが利己的な内容より利他的な内容の方が評価されます。
- 自分のためではなく他人のため(お客様、チームなど)に頑張ったエピソード
自分のために頑張ったエピソードの場合、それが他の就活生と比較して突出的にすごいことであれば評価されます。
2.添削前の自己PR紹介
それでは、一例として実際に添削の依頼を受けた自己PR文を読んでみましょう。
「1.自己PR、ガクチカ作成時のポイント」で記載した内容を意識して読んでください。
苦手なことを克服するために挑戦できることが私の強みです。高校時代までの私は人と話すことが大の苦手で、授業中に先生から指名されると心臓が飛び出そうになるくらい緊張し、上手に話せませんでした。大学に進学し、このままだと社会に出てから苦労すると考えた私は、電話や補講対応を主な仕事とする塾の事務でアルバイトを始めました。高いハードルでしたが、思い切った行動をしないと克服できないと考えました。電話対応は生徒、保護者、本部の方と様々な立場の方と接します。最初は緊張で言葉を噛むこともあり大変苦労しました。先生からは「向いていないのでは?」と言われることも多々ありました。しかし、1日数十件とかかってくる電話に自ら対応を続けるうちに、様々な年代の方ともあまり緊張をせず、上手にコミュニケーションをとれるようになりました。貴社でも仕事に関して苦手なことが生じても、逃げずに克服するために努力し挑戦できるという強みを生かし、着実に成長していきたいと思っています。(424文字)
どうでしょうか?どのように文章構造、内容共に変えていったら良いと思いますか?
3.添削後の自己PR紹介
実際に添削した内容を以下に記載します。
【内容注意点】
「自分の苦手を克服するために挑戦する」という内容は利己的なエピソードになるので、可能であれば同じエピソードで利他的なエピソードに組み替えた方が良いです。例えば、「お客様に良いサービスを提供するために一生懸命仕事をした結果、苦手だった人と話すことも克服できた」というエピソードの方が良いです。今回の添削では内容の修正は行っていませんが、ご自身で再度検討してみて下さい。
【文章再構築】
この自己PRをPREP法に当てはめて再構築すると以下のようになります。()内にてどのように文章を調整したかを書いています。
1.P(結論)
私の強みは苦手なことを克服するために挑戦できるところです。
(文章を分かりやすくするためには主語を短くします。「苦手なことを克服するために挑戦できること」を主語にするのではなく、「私の強み」を主語に変えました。)
2.R(理由)
高校時代までの私は、人と話すことが大の苦手で、授業中に先生から指名されると心臓が飛び出そうになるくらい緊張し上手に話すことができませんでした。この苦手を大学時代に克服しました。
(Pを主張できる理由を簡潔に書きます。)
3.E(事例、具体例)
具体的には、大学進学後に電話や補講対応といった人と話すことが主な仕事になる塾の事務でアルバイトを始めました。電話対応は生徒、保護者、本部の方等、様々な立場の方と接します。最初は緊張で言葉を噛むこともあり大変苦労しました。先生からは「向いていないのでは?」と言われることも多々ありました。しかし、1日数十件とかかってくる電話に自ら対応を続けるうちに、様々な年代の方ともあまり緊張をせず、上手にコミュニケーションをとれるようになりました。
4.P(結論を繰り返す)
貴社でも仕事に関して苦手なことが生じても、逃げずに克服するために努力し挑戦できるという強みを生かし、着実に成長していきたいと思っています。
上記の1~4をまとめると以下のようになります。(403文字)
私の強みは苦手なことを克服するために挑戦できるところです。高校時代までの私は、人と話すことが大の苦手で、授業中に先生から指名されると心臓が飛び出そうになるくらい緊張し上手に話すことができませんでした。この苦手を大学時代に克服しました。具体的には、大学進学後に電話や補講対応といった人と話すことが主な仕事になる塾の事務でアルバイトを始めました。電話対応は生徒、保護者、本部の方等、様々な立場の方と接します。最初は緊張で言葉を噛むこともあり大変苦労しました。先生からは「向いていないのでは?」と言われることも多々ありました。しかし、1日数十件とかかってくる電話に自ら対応を続けるうちに、様々な年代の方ともあまり緊張をせず、上手にコミュニケーションをとれるようになりました。貴社でも仕事に関して苦手なことが生じても、逃げずに克服するために努力し挑戦できるという強みを生かし、着実に成長していきたいと思っています。
どうでしょうか?分かりやすくなったと思いませんか?
4.添削前のガクチカ紹介
次に、実際に添削の依頼を受けたガクチカを読んでみましょう。
これも「1.自己PR、ガクチカ作成時のポイント」で記載した内容を意識して読んでください。
私が学生時代に頑張ったことは3年間続けている塾のアルバイトです。私は相手の思いを汲んだコミュニケーションで信頼関係を築くことが出来ます。当初は応対マニュアル通りに保護者の方とお話をしていましたがある時”毎回同じ対応で想いが伝わらない”と言われてしまいました。そこで自分なりの会話方法を考えました。本題に入る前に生徒の学校での授業や放課後の様子など、個人的な話題を振り会話の引き出しを多く持つことで少し緊張をほぐしてもらう工夫をしました。どんな要件に関しても、相手に伝わりやすい言葉で説明をし、反応を確認しながら対応をするようにしました。そして、どんな会話でも必ず最後に感謝の言葉を伝えるようにしました。相手への敬意を示すことで、以前までなかった“丁寧な対応をありがとう”や”あなたに尋ねてよかった”という感謝の言葉や信頼感をもっていただけるようになりました。貴社に入社後どのような状況でもお客様一人ひとりに合わせた対応や判断を徹底することでお客様との関係をより良いものに築き成果に貢献していきたいと考えています。
5.添削後のガクチカ紹介
実際に添削した内容を以下に記載します。
【内容注意点】
「本題に入る前に生徒の学校での授業や放課後の様子など、個人的な話題を振り会話の引き出しを多く持つことで少し緊張をほぐしてもらう工夫をしました。」と記載がありますが、こういった工夫をしようと思った理由は何ですか?おそらく利他的な理由から行動を変えようと思ったはずです。一例として添削後の文章で内容調整していますので、ご確認下さい。
【文章再構築】
このガクチカをPDCAに当てはめて再構築すると以下のようになります。
1.結論→2.課題(or目標)→3.Plan(計画)→4.Do(実行)→5.Check(検証)→6.Action(再実行・改善)
1.結論
私が学生時代に頑張ったことは3年間続けている塾のアルバイトです。
2.課題(or 目標)
アルバイトを始めた当初は応対マニュアル通りに保護者の方とお話をしていましたが、ある時”毎回同じ対応で想いが伝わらない”と言われてしまいました。
3.Plan(計画)
そこで、保護者の方が本当に知りたい情報は何かを考え、自分なりに接するようにしました。
4.Do(実行)
具体的には、本題に入る前に生徒の学校での授業や放課後の様子などを保護者の方にお伝えするようにしました。また、どんな要件に関しても、相手に伝わりやすい言葉で説明をし、反応を確認しながら対応をするようにしました。そして、どんな会話でも必ず最後に感謝の言葉を伝えるようにしました。
5.Check(検証)
その取り組みによって、以前までなかった“丁寧な対応をありがとう”や”あなたに尋ねてよかった”という感謝の言葉や信頼感をもっていただけるようになりました。
6.Action(再実行・改善)
貴社に入社後もお客様一人ひとりの本当のニーズは何かを常に考えて、それに合わせた判断や対応をしていくことでお客様に良いサービスを提供し、関係をより良いものにします。
上記を続けて書くと以下のようになります。(439字にまとめました)
私が学生時代に頑張ったことは3年間続けている塾のアルバイトです。アルバイトを始めた当初は応対マニュアル通りに保護者の方とお話をしていましたが、ある時”毎回同じ対応で想いが伝わらない”と言われてしまいました。そこで、保護者の方が本当に知りたい情報は何かを考え、自分なりに接するようにしました。具体的には、本題に入る前に生徒の学校での授業や放課後の様子などを保護者の方にお伝えするようにしました。また、どんな要件に関しても、相手に伝わりやすい言葉で説明をし、反応を確認しながら対応をするようにしました。そして、どんな会話でも必ず最後に感謝の言葉を伝えるようにしました。その取り組みによって、以前までなかった“丁寧な対応をありがとう”や”あなたに尋ねてよかった”という感謝の言葉や信頼感をもっていただけるようになりました。貴社に入社後もお客様一人ひとりの本当のニーズは何かを常に考えて、それに合わせた判断や対応をしていくことでお客様に良いサービスを提供し、関係をより良いものにします。
どうでしょうか?内容、文章構造共に良くなったと思いませんか?
6.まとめ
実際に自己PRとガクチカの添削を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
文章構造と内容のポイントを押さえるだけで、読みやすく、評価されやすいエピソードになったと感じるのではないでしょうか。
特に文章構造については、自分の主張したいことを整理する時にも一つ一つの項目について考えていけば良いので参考にしやすいと思います。
これから自己PR、ガクチカの作成をする方は是非、文章構造、内容のポイント共に参考にしてください。
7.おまけ~文章構造と面接対策~
【面接対策のポイント】
PDCAで自己PRやガクチカを書くことのメリットに、面接対策のしやすさがあります。
自己PRやガクチカを読んだ面接官は、以下の様な質問をしてきます。
- 他に課題は何かありましたか?(2.課題(or目標))
- 課題を解決するために他に計画したこと、実行したことはありますか?(3.Plan(計画)、4.Do(実行))
- 取り組みのデメリットは何かありましたか?(5.Check(検証))
- 今後、他に改善できる点はありますか?(6.Action(再実行・改善))
など、PDCAに基づいてエピソードに書いてないことが質問される傾向があるので、自己PR、ガクチカをPDCAに基づいて作成するのをおススメしています。
今回は、自己PR、ガクチカの簡単な書き方について解説しました。自己PRやガクチカに関する相談、就職活動に関する相談などありましたらお気軽にご連絡下さい。(当社が運営しているシグマインターンのツイッターにメッセージ頂ければと思います。)
(2020年5月24日更新)
以下の動画で、自己PR・ガクチカなど、ESを書く時の注意点、ポイントを解説しています。ESを書く際には、是非参考にしてください。
(2020年5月31日更新)
以下の動画で、自己PR・ガクチカなど、ESを書く時に「なぜ自己成長のエピソードはウケないのか?」解説しています。ESを書く際には、是非参考にしてください。
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@saitoseiji0124)〉
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