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サステナブルなお肉~ダチョウ肉~

目次

  1. サステナブルなお肉「ダチョウ肉」
  2. 栄養豊富でダイエットにも!
  3. 日本での認知度はまだ低い…
  4. 山形県朝日町の取り組み
  5. 飢餓を促進する「飼料」
  6. ダチョウ肉が食糧問題を解決する?

1.サステナブルなお肉「ダチョウ肉」 

ダチョウのお肉を食べたことはありますか?

との問いに答えられる人はきっとダチョウマニアですね。今、少ない飼料で育つサステナブルなダチョウ肉が注目を浴びています。どれくらいサステナブルかというと、1キロの牛肉を得るためには11キロの餌が必要であるのに対し、ダチョウは3キロで育ちます。豚は6キロ、鶏は4キロと続くことを考えれば、ダチョウはとてもサステナブルな家畜だと言えます。それではなぜ少ない飼料で育つことができるのでしょうか。秘密はダチョウの腸にあります。ダチョウの腸は消化が良く、栄養を効率よく吸収できるからです。このメリットはフンにも表れていて、フンの量が少なく、においが少ないそう。環境の適応能力も高く、日本では北海道から沖縄まで飼育されています。

2.栄養豊富でダイエットにも!

ダチョウ肉には赤血球をつくる鉄分、骨を丈夫にするリンが入っているので、骨粗しょう症などの予防をしたい人にうってつけのお肉だと言えます。さらに、ダチョウ肉には糖質・タンパク質、脂質を燃焼するときに使うビタミンB群を多く含まれていて脂肪がたまりにくく、牛が100グラム当たり298kcal、豚が386kcal、鶏が229kcalと比べると、ダチョウ肉は144kcalと、とてもカロリーが低いという面からもダイエット効果が期待できます。100グラム当たりのタンパク質を比較すると、牛が17グラム、豚が14グラム、鶏が25グラム、ダチョウが28グラムなので、カロリーをできるだけ取らず、筋肉のもととなるたんぱく質を取りたいというボディビルダーにもおすすめですね!

3.日本での認知はまだまだ低い…

ダチョウ肉は、日本での認知がまだまだ低いのが現状です。日本で食肉用にダチョウを育てている牧場は約10か所と言われ、生産量は年間23万トン。数十万から数百万トンを生産する牛肉、豚肉、鶏肉と比べたら知名度は低く、購入方法も主に通販サイトと限られています。規模の小ささから1羽当たりのコストが高いこと(1キロ当たり4000円~5000円)が広がらない要因となっています。

4.山形県朝日町の取り組み

そんな中、ダチョウ肉を使って町おこしに活用する自治体もあります。山形県朝日町は、約2年前から地元産ダチョウのハムやソーセージをふるさと納税の返礼品で扱っています。朝日町は地元でとれたリンゴや、リンゴジュースを作った後の果肉などをダチョウの飼料として与えていて、小学校の給食にも登場するようです。ふるさと納税で、顧客はダチョウ肉を楽しむ事ができ、朝日町は給食に取り入れることによって地産地消ができ、環境面から見ても、果肉を飼料として消費することができるので、買い手よし、売り手に良し、社会に良しの三方良しのお肉ですね!

5.飢餓を促進させる「飼料」

私達が牛肉や豚肉に代わってダチョウ肉を食べる最大のメリットは、食糧不足問題を解決する可能性があるということです。世界の穀物生産量は毎年26億トン以上となっていて、世界中の人が十分に食べられるだけの食糧は生産されていると言われています。しかし、現実は2017年現在、世界で8億2,100万人が食糧不足になっています。原因として、気候変動による異常気象により、干ばつや洪水などの極端な気象現象が起こっていることや農作物に被害が及び収穫量が激減したり、穀物や果物などの食べ物の価格が輸送などによって高騰し、貧しい家庭層が手に取ることができないなどの理由が挙げられます。家畜のための飼料生産も例外ではなく、飼料生産を行うことにより作物が育てられず、食糧を求めている人に十分に行き渡らないという問題があります。2050年には世界の人口は約100億人に達すると予想されており、将来の食料問題を回避するためには、作物を生産できる農用地での飼料生産を可能な限り減らし、飼料用には農業副産物や食品製造副産物を積極的に利用することが提言されています。日本の飼料の消費の大部分は輸入に頼っていて、例えばトウモロコシの場合、輸入量は年間約1600万トン以上で、国内の米の年間生産量の約2倍にものぼり、その消費量の65%は飼料として消費されています。つまり、輸入されたトウモロコシの殆どを牛や豚、鶏などの家畜の餌として消費しているのです。日本は外国からトウモロコシ等の飼料を買うことによって、農用地での飼料生産を促進し、間接的に飢餓を促進させているのです。

6.ダチョウが食糧問題を解決する?

ダチョウは1章でも述べた通り、肉をつくるための飼料が他の家畜と比べて少なく、生草、乾草、藁でも育ちます。そのため、人間が食べるものと競合せずダチョウを育てることが出来ます。牛や豚の代わりにダチョウ肉を食べることによって、飼料の輸入が減らすことができ、飼料用に使っていた農用地で農作物の栽培が行われ、食糧を世界に行き渡らせることができます。牛肉や豚肉の代用としてのダチョウ肉は食糧問題を解決するかもしれません。読者のみなさんもこの機会にぜひ、豚肉や牛肉に代えて、ダチョウ肉を食べてみませんか?

<文=末田椋資>

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