目次
- 高麗大学留学を決めた経緯
- 高麗大学留学を通じて学んだこと
- 今後のキャリアパス
1.高麗大学留学を通じて学んだこと
「戦争は人の心の中で始まるのだから、平和のための砦は人の心の中で築かれなければならない」。これはユネスコ憲章にある言葉である。キャンパス・アジア・プログラムへの参加を通して、この言葉の深い意味を深く理解することができました。
私の夢は、平和の実現に貢献する日本の政治家になることです。そのためにキャンパス・アジア・プログラムに参加しました。このプログラムを通じて、多様な背景を持つ人々と交流を深めることで、相手の立場を理解し、共に未来を考えることの大切さを学びました。私は、小学生の頃から、ニュースで日韓関係が悪いという報道を見ていた反面、これは本当なのか?現地に行って確かめたいと思うようになり、所属していた神戸大学国際協力研究科の協定校である高麗大学の留学を目指すようになりました。 キャンパス・アジア・プログラムの一環で、高麗大学へのダブルディグリー留学(2年間で修士号が2つ取れる制度)が決まった時、歴史的背景から日本人として差別を受けるのではないかと心配しました。
2.高麗大学留学を通じて学んだこと
しかし、それは杞憂に終わりました。留学中、差別を受けたことは一度もありませんでした。それどころか、高麗大学の友人たちは、日本人学生である私を温かく受け入れてくれました。近いということもあり、日本に行ったことあるよという人が授業前にわざわざ話してくれることもありました。今でも日本に来る時、一緒にご飯行こうよ!と連絡をとっています。
韓国のロッテワールド(遊園地)での1コマ
この経験から、他人のことをほとんど知らないと、偏見が生まれやすくなり、それが争いにつながるのだと気づきました。どうすれば他人をもっと理解できるか考え、行動を起こしました。勉強以外でも仲間と一緒に過ごし、食事を共にし、歴史観などの問題についてオープンに議論しました。時には、寮の一室で、深夜遅くまで日韓関係について話し合いました。また、キャンパス・アジア・プログラムを通じて非武装地帯(DMZ)を訪れ、朝鮮半島で「戦争状態」が続いている現実を目の当たりにしました。また、留学中、尹大統領によって、戒厳令が出されたことに対する友人のリアルな反応や、デモなどをする人を見て、民主主義について改めて考えるきっかけになりました。
緑の気候基金の1コマ(韓国、仁川市)
さらに、緑の気候基金(Green Climate Fund)を訪れ、国連の専門家と交流する機会を得たことで、リスクを減らし、より良い関係を築くにはどうすればよいかを深く考えるようになりました。データ専門家の方がおっしゃった、気候を予測することはとても難しい作業の連続であるが、道筋をつけることが可能であるとおっしゃっていたのが印象的でした。
これらの経験を通して、問題の捉え方は立場によって大きく異なることを理解しました。最も印象的だったのは、政治的な問題と個人的な関係は切り離すことができるという発見でした。政治的な意見が違っても、ディベートの後には個人的な会話を楽しみ、共通の趣味で絆を深めることができた。このことを振り返ると、私はメディアの報道だけで偏見を形成していたことに気づきました。他者を理解することは、紛争を減らし、将来へのビジョンを共有するための重要なステップであり、ひいては平和の実現への道を開くものだと、今は固く信じています。
3.今後のキャリアパス
私は当初、教育に関わることで平和の実現に貢献したいと考えていました。そのために、冒頭の理由に加えて、教育開発に精通しており、質的調査に詳しいkang Kyuwon教授の下で学ぶため、高麗大学での留学を決意しました。しかし、高麗大学での学びや韓国社会での生活を通じて、平和の実現には教育だけでなく、政治や経済政策の果たす役割も極めて重要であると気づきました。特に、韓国の教育政策や人的資本投資の取り組みを学び、日本との違いを考察する中で、政治×教育×経済を通じた社会変革に関心を持つようになりました。具体的には、異なる国の学生や専門家と議論を重ねる中で、各国が直面する社会課題へのアプローチの違いを学びました。特に、リスクを最小限に抑えつつ長期的な発展を目指す政策の重要性について考える機会が多くありました。こうした経験を通じて、持続可能な社会の実現には、単なる短期的な解決策ではなく、各国の背景を考慮した長期的な視点が不可欠であることを改めて認識しました。
ユネスコ憲章には、 「客観的真理の無制限な追求と、思想と知識の自由な交換を信じ、われわれは、国家内および国家間のコミュニケーションの方法を開発することを決意する」。私はこの憲章にあるように、すべての人が共有できる未来を築くために、多様な視点を尊重し、学び続けていくと決めました。
<文=末田椋資>
当ライターの前の記事はこちら:高麗大学で行われたCampus Asia Plus Symposiumでの経験
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