その他

TKF奨学金書類選考突破のために

目次

  1. TKF奨学金とは?
  2. STARメゾットを意識
  3. ガクチカ【高校卒業まで】
  4. ガクチカ【大学入学以降

1.TKF奨学金とは?

TKF奨学金(正式名称:TKF特待制度)は、日本社会の発展に貢献し得る資質を持つ海外大学生と、将来の日本を牽引する企業との強固な架け橋を築くことを目的に設立された制度である。2024年に発足し、初年度には250名の奨学生を輩出した。また、本奨学金は返済不要であり、最大20万円支給される。支給された金額や特典の返還義務は一切ない。TKFの書類選考は主に海外正規留学生を対象に行われ、高校卒業までのガクチカと、大学卒業までのガクチカについて問われ、それぞれ400文字以内で書くことが求められる。本稿では、TKF奨学金の書類選考を通過した人へのインタビューをもとに、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)について共有し、どのような点を意識すれば書類を通過できるかを述べる。

2.STARメゾットを意識

書類選考に臨むにあたり、TKFの担当メンターから適切なフォーマットについて助言を受け、STARメソッドを意識して記述した。STARメソッドとは、国連をはじめとする国際機関で採用されている記述・面接のフレームワークであり、世界共通の手法である。STARは、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Results(結果)の頭文字を取ったものだ。これは面接でも応用可能で、面接の場面では、まず面接官の質問を注意深く聞くことが前提となる。そのうえで、Situationでは努力したことの背景を説明し、Taskでは直面した課題を詳述する。Actionではその課題に対してどのような行動を取ったかを示し、Resultsではその行動の成果や変化を述べる。

3.ガクチカ【高校卒業まで】

以下の文が、高校卒業までのガクチカである。

【高校卒業まで】学生時代一番力を入れたことを教えて下さい。(400字) *

過去提出したES(エントリーシート / レジュメ)のコピペで構いません。

高校に所属していた野球部時代、非科学的な練習方法を採用する監督・コーチ陣と、改善を望む部員の仲介役を担った。当初、長距離走による持久力強化など、野球のスキルアップに直接繋がらないと思われる非科学的な練習方法が採用されていた。部員や後輩は練習に疑問を抱いていたが、風通しの悪いチーム環境では発言しにくい状況だった。控え部員であった私は、監督やコーチ陣には真摯な練習態度を示して信頼を得る一方、その他の部員とは挨拶やインフォーマルな会話を重ね、意見を言いやすい雰囲気を作った。結果、部員から吸い上げた意見をミーティングで共有し、練習方法の改善を訴え、科学的な練習やiPadを用いた分析ツールの導入に貢献できた。結果として、チームの一体感が向上した。残念ながら最後の大会は2回戦で敗退したが、この経験を通じて、上意下達の体制から、自ら考え行動するボトムアップ型のマインドへとチームの意識を変えることができた。

このガクチカでは、長距離走による持久力強化がなぜ意味がないのかを明確にするために、大手企業の人事担当者からのフィードバックを参考に、「野球のスキルアップに直接つながらない」という点を加えた。読者に伝わりやすいよう、主観的な意見ではなく、第三者の視点を取り入れることで説得力を高めている。また、単なる問題提起にとどまらず、自らの行動によって環境を変えたプロセスを示し、課題解決に向けた実行力をアピールしている。さらに、結果としてチームの一体感が向上し、ボトムアップ型の意識改革につながった点を強調することで、個人の努力が組織全体に良い影響を与えたことを示している。

4.ガクチカ【大学入学以降】

以下の文が大学入学以降のガクチカである。

【大学入学以降】学生時代一番力を入れたことを教えて下さい。(400字)

過去提出したES(エントリーシート / レジュメ)のコピペで構いません。

ラオスの子供が学校不足により教育を受けられない問題を解決するため、イベントを通じた学校建設資金調達に取り組んだ。以前は毎年、街頭募金で約30万円を集めていたが、コロナ禍で対面活動が制限されたため、オンラインの有料チャリティーイベントを開催した。無料イベントとの差別化を図り、付加価値を持たせるため、TV番組や他社イベントを研究し、ラオスの世界遺産を巡りながら謎解きに挑戦する企画を立案した。代表として、全てのメンバーを管理するのは困難だと判断し、希望する役割に応じてメンバーを配置し、内容や時間管理について、各メンバーに裁量権を与えた。私は必要に応じて進捗を確認し、アドバイスを行いながら指揮を執った。その結果、66名が参加し、目標額を達成し資金調達に成功した。この経験を通じて、多様性豊かなメンバーが楽しみながら成長を実感し、参加者にもラオスの魅力について楽しく知ってもらう機会を提供できた。

このガクチカでは、具体的な数値を記入することで、客観性を保つことを意識している。主観的な表現になりがちな内容も、数値を示すことで成果や影響を明確に伝えることができる。また、課題の発見から解決に至るプロセスを示し、どのような工夫をしたのかを具体的に記述することで、論理的な思考力やリーダーシップを伝えている。さらに、チーム運営の工夫や、参加者・メンバーの成長という側面にも触れることで、単なる成果報告にとどまらず、自身の価値観や強みをアピールする構成になっている。

【参考サイト】

TKF特待生サイト

https://tkf-global.jp/scholarship2025/

<文=末田椋資>

当ライターの前の記事はこちら:高麗大学での留学を振り返って

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