日本では、週休2日制が一般的ですが、一部の自治体や企業で週休3日制の導入が始まっています。なぜ週休3日制が注目されているのか、基本的な制度から確認していきましょう。
目次
- 休日制度の概要
- 週休3日制とは?
- 週休3日制のメリットとデメリット
- まとめ
1.休日制度の概要
- 毎週1日の休日か、4週間で4日以上の休日が義務
- 完全週休2日制と週休2日制の違い
(休日)
第三十五条
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
e-GOV 法令検索 労働基準法
休日のルールは、労働基準法に定められています。毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を労働者に与えることを義務付けています。
日本の企業においては週休2日が一般的ですが、完全週休2日制と週休2日制に分類されます。
完全週休2日制とは、毎週必ず2日の休みがある制度です。土日休みの場合や、シフト制で平日に2日休みがある場合が該当します。
週休2日制とは、週2日の休みが1か月に1回以上ある制度です。例えば、「週休2日制(日、第2・第3土曜):毎週日曜と第2・第3土曜が休み」というケースです。
2.週休3日制とは?
現状は多くの企業が週休2日制を採用していますが、休日を1日増やすのが週休3日制です。週休3日制は身近な存在になりつつあり、すでに一部の自治体や企業で導入が始まっています。 2021年、政府は閣議決定した基本方針に「選択的週休3日制」を盛り込みました。選択的週休3日制とは、希望する労働者に1週間のうち3日の休日を付与する制度をいいます。「働き方改革」の実現に向けた取り組みにおいて、選択的週休3日制の導入はその選択肢となっています。 ひと口に週休3日制と言っても、3つの働き方があるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
・給与維持型
給与を維持して従来どおりの仕事をこなす働き方です。週4日の労働時間で週5日分の成果を出すことが求められます。
・給与減額型
労働時間の減少に伴い、給与も減額するパターンです。企業にとっては人件費の削減につながる一方、従業員にとっては収入が減少するというデメリットがあります。
・総労働時間維持型
休日を1日増やしながらも1週間の労働時間を変えないパターンです。トータルの労働時間は変わらないため、1日あたりの労働時間が長くなります。
3. 週休3日制のメリットとデメリット
それでは、週休3日制のメリットとデメリットについて解説します。
メリット
・人材確保
・生産性の向上
・ワーク・ライフ・バランスの実現
週休3日制を導入するメリットは3つあります。1つ目は、人手不足を背景にした人材確保です。これは企業側の視点ですが、魅力的で柔軟な働き方を用意することで、採用だけでなく離職の防止にも役立ちます。
2つ目は、生産性の向上です。給与維持型では、少ない時間で高い成果を出す必要があるため、効率的に業務を行うことが求められます。また、休日が増えることで、十分な休養を取ることができ、生産性の向上が見込まれます。
3つ目は、従業員にとってのメリットですが、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすいということです。家族との時間等、プライベートの充実を図ることができます。育児や介護の両立をしている従業員にとっては、調整をしやすくなるメリットがあります。
デメリット
・機会損失
・労務管理の負担が増加
・長時間労働になりやすい、または給与が減少する
週休3日制のデメリットの1つめは、機会損失が発生することです。取引先と頻繁にやりとりをする必要のある業種の場合、稼働時間が減ることで円滑なコミュニケーションが取りにくくなり、機会損失につながるリスクがあります。既存の人員で、不足のないよう対策を練る必要があります。
2つめは、勤務体系が複雑になります。勤怠が複雑になれば、その分だけ労務管理の負担が増えることになります。管理部署の負担が増えないための仕組みづくりが必要です。
3つめに長時間労働になりやすい、または給与の減少が挙げられます。前述の総労働時間維持型であれば、1日あたりの労働時間が増えることになります。結果的に疲れが溜まってしまい、仕事と私生活との両立が難しくなる可能性もあります。給与減額型であれば、文字通り給与が減少し、従業員にとってのデメリットとなります。
4.まとめ
週休3日制は、ワーク・ライフ・バランスの実現に大きな可能性を秘めています。働き方の選択肢が増えることは、従業員だけでなく、企業側にもメリットがあります。現状では、課題の多い週休3日制の導入ですが、メリットとデメリットを照らし合わせて、検討が必要です。また、従業員にとっては、一人ひとりが生活の事情にあわせて選択していくことが大切です。
<文=森 寛衆>
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