勉強法

フォニックスの学習方法

目次

  1. 英語の需要が高まっている
  2. フォニックスを学ぶ前に 〜耳の良さが第二言語習得に影響する?〜
  3. フォニックスとは?
  4. フォニックスの学習方法
  5. フォニックスの効果
  6. フォニックスと他の学習方法の比較
  7. フォニックスを学ぶ際の注意点
  8. まとめ

1.英語の需要が高まっている

近年、日本における英語の需要は高まっている。2025年4月13日(日)から大阪万博が開催され、世界各国から日本を訪れる人が増えると見込まれている。そこで、本稿では、初学者が英語を学ぶ上で最初に習うと良いとされているフォニックス(Phonix)を紹介する。

2.フォニックスを学ぶ前に 〜耳の良さが第二言語習得に影響する?〜

まず大前提として、第二言語習得をする上で、耳の良さが影響するとされている。耳の良さを測る指標として、音階や音の長さ、音量などを正確に聞き取れるかという様々な要素が大事とされている。割合としては、50%が才能とされ、50%が個人の努力や勉強に対するモチベーションとされている。第二言語習得(音声)を専門とする斉藤一弥教授は、音声を聞き取る能力テストを通じて、音声の聞き取りの能力が低い層こそ、改善のために発音のトレーニングに早期に取り組むことが学習効率を上げる方法だと述べている。加えて、Fletcher(2021)の研究によると、フォニックスを学ぶ際は個人差を考慮したAdaptive learningを推奨している。

 まとめると、「耳の良さ」が第二言語習得に重要な一要素であり、様々な指標で図られる「耳の良さ」のスコアが悪い生徒ほど、改善のために発音のトレーニングに時間を費やすことが学習効率を上げることに繋がるとされた。ここから言えることは、音声の聞き取りテストを通じて、能力を測り、どこを改善するべきか特定し、言語の臨界期仮説(言語を完璧に習得できるのは一定の年齢(臨界期)までであるという説)に基づくと、10歳ごろまでに発音など児童の認知能力に関する改善を進めていく必要があると考えられる。

3.フォニックスとは?

フォニックスとは、英語の「文字」と「発音」の関係を体系的に学ぶ学習法である。例えば、「c」は /k/ の音を持ち、「ph」は /f/ の音を表す。この方法を学ぶことで、知らない単語でも発音を推測しやすくなり、スムーズな読み書きが可能となる。

フォニックスは特に英語を母語としない学習者にとって有効であり、正しい発音を習得しながら単語を読めるようになるメリットがある。英語圏では幼児期から学校教育に取り入れられており、英語学習の基礎となる。

4.フォニックスの学習方法

フォニックスの学習は、次のステップで進めると効果的である。

  1. アルファベットの音を覚える: 例)「A」は /æ/、「B」は /b/ など。
  2. 基本的なルールを学ぶ: 例)「C」は /k/ だが、「E」の前では /s/ になる(cent など)。
  3. 単語の分解練習: 例)「cat」を /k/ – /æ/ – /t/ と音ごとに分ける。
  4. 文章の音読練習: 簡単な文を読み、フォニックスルールを意識する。

また、オンライン教材やアプリ(例えば「ABCmouse」「Phonics Hero」など)を活用すると、より効果的に学ぶことができる。

5.フォニックスの効果

フォニックスを学ぶことで、以下のような効果が期待できる。

  • 読み書き能力の向上: 単語を見ただけで発音が推測しやすくなる。
  • リスニング力の向上: 正しい音の識別ができるようになり、聞き取りやすくなる。
  • スピーキング能力の向上: 正確な発音を身につけることで、伝わる英語を話せるようになる。
  • 試験対策にも有効: TOEFLやIELTSのリスニング・スピーキングセクションに役立つ。

特に日本語話者が苦手とする「r」と「l」の違いや、「th」の発音などを学ぶのにフォニックスは有効である。

6.フォニックスと他の学習方法の比較

フォニックスと比較される学習法に「サイトワード学習(sight words)」がある。サイトワード学習は、単語全体を視覚的に認識し、意味と紐づける方法である。一方、フォニックスは単語の音と文字の関係を重視するため、初学者にとってより汎用性が高い。

また、フォニックス学習を補完する方法として、以下のようなものが挙げられる。

  • シャドーイング: ネイティブの発音を真似て繰り返し発声する。
  • 発音記号の学習: 発音の正確な違いを理解するために役立つ。
  • 音読練習: フォニックスルールを意識しながら声に出して読む。

7.フォニックスを学ぶ際の注意点

フォニックスを学ぶ際に気をつけるべき点として、日本語と英語の音の違いを意識することが重要である。特にカタカナ英語に慣れていると、誤った発音が身についてしまうことがある。正しい発音を身につけるためには、以下の方法を取り入れると良い。

  • ネイティブの音声を活用する: YouTubeやポッドキャストを利用して、正しい発音を耳にする。
  • 発音トレーニングを行う: 例えば、英語の母音・子音の違いを意識しながら繰り返し練習する。
  • 発音アプリを活用する: 「ELSA Speak」や「Pronunciation Power」などのアプリを使って発音をチェックする。

8.まとめ

フォニックスは、英語を学ぶ上で非常に重要な基礎スキルである。特に英語を母語としない学習者にとって、正しい発音を学び、リスニング・スピーキング能力を向上させる効果がある。日本の英語教育でも、フォニックスの重要性が再認識されており、今後さらに広く取り入れられることが期待される。

参考

https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/themes/expo2025orjp_2022/assets/pdf/overview/school_trip_202307.pdf

Fletcher, J. M., Savage, R., & Vaughn, S. (2021). A commentary on Bowers (2020) and the role of phonics

instruction in reading. Educational Psychology Review33(3), 1249-1274.

https://link.springer.com/article/10.1007/s10648-020-09580-8

<文=末田椋資>

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