日常

過緊張とは?自律神経の乱れと対策について

「仕事が気になって眠れない」

「仕事の夢を見て眠りが浅い」

「常に何かに追われていて、気が休まらない」

こんな経験をしたことはありませんか?

忙しい現代社会では、気づかないうちに疲労やストレスをため込んでしまう人も多いことでしょう。

その結果として生じるのが「過緊張」です。精神科医・奥田弘美氏は著書『それ、すべて過緊張です。』の中で、「過緊張は日本で働く多くの人が陥りやすいメンタル不調」と紹介しています。過緊張を放置すると、うつ病などの精神疾患につながる可能性もあるため、早めのケアが大切です。

目次

  1. 過緊張とは?
  2. 自律神経系とは?
  3. 過緊張と腰痛の関係
  4. 過緊張の対策方法3つ
  5. まとめ

1.過緊張とは?

過緊張とは、身体に現れるストレス反応の1つで、「自律神経が乱れ、交感神経系が過度に緊張している状態」を指します。正式な病名ではありませんが、不眠や抑うつ、うつ、適応障害と深く関係しています。

適応障害やうつに比べて軽い症状ではあるものの、放置すると確実に心や身体に不調をきたします。過緊張状態が続くと、自律神経失調となって日常生活でさえまともに送ることが難しくなります。

2.自律神経系とは?

自律神経とは、心拍数や消化、体温調節などに関与して無意識化で働く神経で、交感神経と副交感神経に分類されます。

 交感神経:身体を活動モードにする(仕事中・運動中)

 副交感神経:身体を休息モードにする(夜間・リラックス時)

身体を活動させるときに交感神経が働くのに対し、身体を休めるときに副交感神経が働きます。例えば、仕事をしているときや運動中は交感神経が働き、寝る前は副交感神経が優位になります。人間の身体は、この2つの自律神経が切り替わって動いています。

そして、この自律神経を乱すのがストレスです。仕事や家庭などストレスが要因で、自律神経は簡単に乱れてしまいます。自律神経がうまく切り替わらないと、夜でも交感神経が優位となり、不眠になることもあります。

3.過緊張と腰痛の関係

過緊張は心だけでなく、身体にも不調をきたすことがあります。特に腰痛は、過緊張と関係が深いかもしれません。

腰痛の約7割は医学的な原因を特定できていないといわれています。椎間板ヘルニアや分離症など、検査で明らかなものを除き、腰痛は原因不明のままであることがほとんどです。そのような原因不明の腰痛は、精神的なストレスが原因の可能性が高いと言われています。その精神的なストレスの1つが、過緊張です。過緊張による腰痛は、別名心因性腰痛とも呼ばれますが、これは本来感じないはずの痛みを脳が感じ取ることで生じます。日頃から過緊張の予防をしておくこと、そして過緊張のケアの方法を心得ておくことが大切です。

4.対策方法3つ

過緊張の対策として、手軽に取り入れられる方法を3つ紹介します。

・マインドフルネス

マインドフルネスとは、過去や未来の事柄から離れ、「今この瞬間」に意識を向ける技法です。「瞑想」を用いることで雑念が消え、集中力を高める効果があるとされています。不安やストレスを抱えている状態から解放されることで、心を整える効果が期待されます。具体的な方法は、静かな場所で背筋を伸ばし、目を閉じて腹式呼吸を行います。

・ニクセン(Niksen)

ニクセン(Niksen)とは、「何もしない時間を過ごすこと」を指すリラックス方法のことを言います。Niksenは、 オランダ語で「何もしない」を意味する動詞です。仕事や家庭など日常の忙しさから一旦離れ、あらゆるものから解放される手法です。オランダでは「燃え尽き症候群」が問題視され、その対処法として一般的に行われています。

「何もしないこと」に対する罪悪感を捨てることで、心身のストレスの軽減につながります。マインドフルネスと違いは、「雑念が生じることを許す」「場所を選ばずにできる」ことにあります。マインドフルネスのように目的を持たず、ありのままの時間を過ごします。オランダ人は芝生に寝そべって日光浴をしたり、森林浴をして過ごすことが多いようです。勤勉な日本人とって、あえて「何もしない」ことも必要なのかもしれません。

・マグネシウムを摂取する

人間の身体は、カルシウムとマグネシウムが2:1の割合が理想とされています。日本人の食生活では、マグネシウムが不足しやすいためバランスが崩れ、過緊張の原因となっていることがあります。カルシウムは身体を縮める働きがあるのに対し、 マグネシウムは身体を緩める働きがあります。マグネシウムの含まれる食品やサプリメントの摂取をすることで、身体の筋肉を緩める効果が期待でき、過緊張や腰痛予防として有効です。

5.まとめ

過緊張は、自律神経系の交感神経が過度に緊張している状態をいいます。ストレスフルな現代社会では、過緊張を自覚しないまま過ごしている人も多いことでしょう。ですが、過緊張を放っておくと、うつなどの病気につながることがあります。悪化せないためにも、日頃からケアするとともに、限界の一歩前で休むことも必要ではないでしょうか。

(参考)

『それ、すべて過緊張です。』 奥田弘美 著(2025年2月刊行) https://amzn.to/460yx9L

<文=森 寛衆>

当ライターの前の記事はこちら:倒産と社会保険料滞納の関係|従業員への影響を解説

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