ビジネス

仕事は一生懸命しないといけないのか?

株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。

仕事に対する価値観の多様化が進んでいると思います。私は、それをとても良いことだと考えています。価値観の多様化が進んだことで、仕事や働き方の選択肢が増えたと思うからです。

自身の生き方を自分で決めたいと考えている人にとっては、選択肢が増えることは良いことの方が多いです。

一方、自身の生き方を誰かに決めてもらいたいと考えている人にとっては、選択肢が増えることで、正解が分かりづらくなり(選択にいわゆる正解、不正解は本質的には無いのですが・・)、どんな選択をしたら良いのか、と悩んだり、不安に思ったリする方もいるのではないかと思います。

昔と比べれば、仕事を一生懸命したい、とか、仕事は一生懸命しなければいけない、と考える方は少なくなったと思います。(そういう傾向があると思います。)

皆が仕事を一生懸命やらなければいけない、という価値観を共有しづらくなったことで、チームで仕事を行う際には注意が必要になりました。

例えば、上司が「仕事を一生懸命したい」と考えている人で、部下が「そこそこ仕事したい」という人だった場合。仕事に対する価値観が多様化していることを意識していなければ、上司は、部下の仕事の仕方を「物足りない」とか「不十分だ」と感じると思います。もしかしたら、もっと一生懸命仕事をするように注意するかもしれません。

ただ、部下が「そこそこ仕事がしたい」と言う価値観を持っているのであれば、注意をされたことで、仕事への取組み方が変わるとは思えません。部下は部下なりに自身の価値観に沿って仕事をしているからです。逆に上司に対して「仕事を一生懸命しすぎだ」と感じるかもしれません。

逆のケースも考えられます。上司が「そこそこ仕事したい」と考えている人で、部下が「仕事を一生懸命したい」という人だった場合。上司は、部下に「そこまで仕事しなくても・・」と思うでしょうし、部下は上司に対して「もっと仕事して欲しい」と不満に思うのではないでしょうか。

これはどっちの考え方が正しいということではありません。どちらのケースも上司、部下の二人だけで仕事をしているわけではなくて、組織には経営者もいるし、複数の利害関係者(取引先など)が存在していて、それぞれがそれぞれの価値観で仕事をしているため、こういった価値観の違いは必ず生じます。

仕事上では上司、部下という立場があって上司の言うことの方が正しいとされることが多いですが、仕事をどのようにするかは、どのように生きるかの一部であり、どのように生きるかは、個々人が決めることで、それに良し悪しや、上下関係はありません。

一人、一人の価値観の違いに注目してしまうとかならず齟齬が生じてしまいます。これは構造上仕方がないことです。それが元になって、嫌な思いをする人も出てきてしまいます。

これを解決する方法は、組織への参加者が個々人による価値観の違いがあることを認識することと、それを参加者皆が許容できる程度に調整していくことです。

価値観の違いがあることを認識するだけでも、他人の仕事への取組み方を無理に変えようとする人が減るはずです。不必要な注意や思い通りにならない苛立ちも減ると思います。

また、組織はその組織に参加する全員に良い状況になるように運営される必要があることを知って、必要以上に他人に仕事をさせず、必要程度を下回った場合には、仕事をしてもらうという調整をかけることが重要です。自分の価値観に合わないから注意をしたり、不満に思ったりしているのか、組織参加者全体に良い影響をもたらすために注意をするのか、ちょっと考えてみた方が良いです。

その他、価値観の近い人を採用する。なども価値観を揃える方法としては良いと思いますが、価値観が多様化する中で、価値観の近い人のみ採用するのは難しいと思います。

まだまだ、「一生懸命仕事をしたい」と思っている人は多いし、そういった方は「一生懸命仕事をさせたい」人になっていることもあります。

「一生懸命仕事をする」というのを評価する会社も当然多いと思います。ただ、評価を受けなくても良いという価値観を持っている方がいるのも事実です。その価値観はその価値観で最低限尊重されるべきで、必要以上に強制されるようなものではないと思います。

あなたの仕事に対する価値観はどうでしょうか?組織で働く中で、齟齬を感じることは無いでしょうか?また、その齟齬を要因に仕事に対して不満を感じたりすることはあるでしょうか?

まずは、他者と自身の価値観の違いを意識して認める所から始められると、その人との関係性や職場の環境が良くなることがあるかもしれません。

〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉

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