株式会社シグマライズの斎藤です。
昨日の記事の続きです。
今回は、2014年の11月24日に書いた内容になります。
斎藤清二の週報:『ニーチェの哲学』について考える③
前回、前々回に引き続きニーチェの思想について紹介します。
ニーチェがキリスト教的道徳感を「ルサンチマン」の道徳感として否定し、何が正しい行動か自己検証するために「永遠回帰」の思考概念を提唱したということは前回までの週報で紹介しました。
ニーチェについての週報の最期として、「ルサンチマン」「永遠回帰」と共にニーチェの思想の代表概念である「超人」の概念について紹介したいと思います。
「超人」思想の概念を「ニーチェ入門:竹田 青嗣著」より以下に抜粋します。
(以下抜粋)
「超人」思想の基本コンセプトはそれ自体は、さほどやっかいなものではない。要するに、これまでの「道徳」と「理想」を廃棄し、新しい「道徳」と「理想」を打ち立てることがその眼目である。
(抜粋終了)
キリスト教的なルサンチマンによって作られた「道徳」と「理想」はその成り立ち故に、構造的な欠陥があります。それは、本来の「良い」を「悪い」と認識させるような構造であり、結果的に人間をニヒリズムに追いやります。ニーチェによれば、それに代わるような新しい「道徳」と「理想」の創出が「超人」の概念になります。
「超人」の概念を簡単に説明すると、より能力の高い人間、より高潔な人間が現れるように行動すること、それが良い「道徳」「理想」であるという考えです。
人類の歩みを大きな枠組みで見ていくと、より良い社会を作りたい、より美しい物を創出したいという個々人の欲望によって、科学技術や文化が発展してきました。
そういった発展をどこかの優秀な誰かがやってくれると思うのでは無く、我々1人1人が他者に何かしらの影響を与え、子孫に影響を与えているという考えの元、人類の大きな発展に少しでも寄与するように行動をすること、「超人」(今よりも良い人間、優れた人間、高潔な人間)を創出するという「目標」を設定し、それに沿って行動する生き方が良い生き方だとニーチェは言います。
ただし、当時ニーチェの「超人」の思想は、「選民思想」や「民族浄化」というファシズムの思想に強く影響を与えたと言われています。
より優れた民族を作り上げるために闘争が必要であり、より優れた民族を作り上げるためには多少の犠牲は仕方がないと言う形で解釈をされ、ナチズムに繋がって行きました。
「超人」の思想は、生きる上での「道徳」「理想」としては完璧な物で無かったのかもしれません。
しかし、その思想に含まれているエッセンスは我々が仕事をする上で考えなければならないことだと思います。なぜなら、ニーチェが説く「超人」の概念は、企業の存在意義である「企業活動を通した社会への貢献」、「より良い社会の創出」、「より良い組織の創出」および「組織の中で仕事をする個々人の成長」等、と共有する部分が多いからです。
企業組織で働く我々1人1人の「目標」「理想」もまた、ニーチェの説く「超人」の概念と親和する部分が多いので無いかと思います。
個人的には、人類の発展に寄与するという大きな目標設定と、それに沿って行動するという「道徳」「理想」には大変共感できます。
皆さんはどうでしょうか?
皆さんの仕事における「目標」「理想」は何ですか?
先人の哲学を参考に考えるのも良いかもしれません。
〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉
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