就職活動・インターン

採用担当者を責めないで欲しい

株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。

Twitterを見ていると、採用担当者以外の方が、企業の採用担当者を責める言葉を目にすることがあります。

責めている人は、就活生だったり、大学のキャリアセンターの方だったり、就活生の就活支援サービスをやっている方だったります。

どのように採用担当者が悪く言われるかというと、

「採用基準が画一的で、就活生の個性を見ていない」

「世の中にあふれているこういう学生が評価される、という評価軸にしたがって評価をしているから、同じようなESや面接対応をする学生が量産されている」

これがさらに発展すると、

「採用担当者が人を見る目がない、能力がない」

「正しく人を選考できてないのに偉そうにしている」

といったことまで書かれていることがあります。

思ったように就活が進まない、とか、思ったように就活支援が進まない、ということで企業や採用担当者に不満を思う気持ちはとても良く分かります。

私も就活支援を仕事の一つにしている人間で、企業に紹介した学生が、選考に通らず、理由を聞いたら、「単純に思考力が低いと思いました」と言われた時には、とても嫌な気持ちになりました。(特に面接練習とかをして、「この人、良い人なんだろうなぁ」と思った時は特にそういった気持ちになります。)

ただ、構造的に人事や採用担当者は、個性を出して人を評価することは難しいという事実があることを知らなければいけません。

人事や採用担当者は、従業員として企業から採用の仕事を任されている人達になります。個性を出して明確に説明することが難しい基準で選考をしていたら、選考が進む中や、採用後に「なぜ、この人を採用したの?」と上司に質問されることになります。特に、採用後に思ったようなパフォーマンスが出せない社員がいた場合に、選考過程でどういった評価を下していたのかは、必ず遡って確認されてしまいます。

そのため、選考過程において一般的に良いと思われている評価軸で選考をする必要が出てきます。一般的に評価される内容のESが書かれているか?一般的に評価されるような面接対応ができているか?という点で評価していれば、上司から「なぜ、この人を採用したの?」と言われた時に、そういったES内容や面接内容であって、面接の段階では評価すべき人材だと判断した。という回答ができるからです。

それでは企業側は、就活生の個性を見ないのか?というとそうでもない側面もあります。選考が進んで、ある程度ポジションがある方(部長クラスや役員クラス)が面接担当になった場合には、その人が持っている独自の考えや経験を評価することが多いです。

なので、その時点では他の人との違いをアピールした方が良いと思います。ただ、ある程度ポジションがある方との面接に行きつくまでの序盤の選考段階で、かなり同質的にソートされることになります。同質にソートされた上で、個性を見られることになります。

もちろん序盤の選考段階でも、大学生時代にやってきたことがかなり差別化されていて、ビジネスにおいて成果を出しそうな方であれば、特別に評価されると思いますが、それは誰が見ても評価に値するような知識や経験を持っている方に限られます。(上にも書きましたが、そうでなければ「なぜ、この人を採用したの?」と言われてしまいます。)

学生の個性を評価してあげたいと思っている採用担当者の方も沢山いるし、上司にかけあって、自身が良いと思った学生を推薦するような方もいると思いますが、従業員として企業の採用担当の仕事を任されているという性質上、どうしたって評価軸は同質になりやすい構造がここにはあります。

なので、採用担当者を必要以上に責めないで欲しいと思います。構造的に仕方がないことを個人の問題にするのは、良くないことだと思いませんか?

就活生としては、この構造を知った上で就活準備をすれば良いですし、中小ベンチャー企業などで、面接官がいきなり役員だったりするケースは、型にはまった評価をされる可能性が低いので、個性を存分に出すことができるとも考えられます。

採用担当者もまた大学生を経て、その会社で一生懸命働いている一個人です。採用担当者の立場にも想いを馳せて、就活に臨んだり、就活に関わっていくのが良いのではないでしょうか。

〈文=株式会社シグマライズ 代表取締役社長 社会保険労務士 斎藤 清二(@sigmarize)〉

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