目次
- 日本の国際協力系の大学院に合格するために
- 大学と大学院の違いを理解する
- 大学院進学の意思を確認する
- 自分の研究関心を調べる
- 研究室訪問の際のポイント
- こまめに大学のHPをチェックする
- オープンキャンパスに参加する
- 先輩の話を聞く
1.日本の国際協力系の大学院に合格するために
近年、国際協力に関する注目が高まっている。しかし、筆者の経験から、国際協力系の大学院の情報をインターネットで探すのは意外と大変で、断片的な情報しか得ることができず、大学院に合格するために具体的にどのようなプロセスを踏めば良いか分からないことがあった。
そこで、本稿では、日本の国際協力系の大学院に合格するためには、具体的に何をすれば良いか、自分の経験を紹介する。
2.大学と大学院の違いを理解する
第一に、大学と大学院の違いを理解することである。大学院についてざっくり概説すると、学部のように好きな科目を取って「勉強」をするというよりも、自分の研究関心について「研究」をするというイメージを持っていただくと良いと考える。加えて、世の中に出す論文は、「新規性」が求められる。「巨人の肩の上に立つ」という言葉があるように、先人と同じことを主張するのではなく、論理的に記述し、新しい知見を世に出すことが役目と捉えて頂くと分かりやすいかもしれない。
3.大学院進学の意思を確認する
第二に、大学院進学の意思を確認することである。これをやりたいという意思を持たずに大学院に進学することは、入学後に苦労をするリスクがある。また、日本の大学院(修士すなわち博士前期課程)の場合、学費を2年間払う必要があり、両親や保護者など、金銭面で援助が得られるか、自ら奨学金を借りるかなど相談する必要がある。
4. 自分の研究関心を調べ、指導を受けたい教員を探す
第三に、自らの研究関心を調べ、指導を受けたい先生を探すことである。自分の研究関心のある本を読んでいく内に、指導を受けたい教員が見つかると考えられる。その教員が、どこの大学で教鞭を取っているか、学生を募集しているかなど情報をできる限り集め、指導を受けたい先生を探す。
5. 研究室訪問のポイント
第四に、研究室訪問を行うことである。研究室訪問を行うことによって、先生の雰囲気を知ることができたり、時期にもよるが、研究計画書を添削してもらえる可能性がある(もちろん、受験の公平性のため断られる可能性がある)。その際に気を付けたいポイントは指導を受ける先生のHPや書籍、論文を読み込んでおくことを推奨する。なぜなら、特に忙しい先生の場合、書籍や論文を読めば明らかになることを、時間を割いて聞くことは失礼に当たってしまうことがある。
6. こまめに大学のHPをチェックする
第五に、こまめに大学のHPをチェックすることである。大学院進学を目指す人にとって、希望する大学院の情報を確認することは必須である。大学によっては、入試の時期が近づくまで情報を更新しないことがあるので、こまめにチェックを行う、疑問があれば問い合わせをするなど、積極的に情報を集める必要性がある。筆者の経験では、研究室訪問をした先で、第二志望の大学で夏季入試があることを知らず、冬季入試のみを受験しようとしたことがあり、重大な機会損失の可能性があった。去年の夏季入試の合格者数が公式HPに載っているが、今年の夏季入試の情報は載っていないといった違和感に気づいたら、見落としがないか確認した上で、問い合わせをすることを推奨する。
7. オープンキャンパスに参加する
第六に、オープンキャンパスに参加することである。オープンキャンパスに参加するメリットは、実際に行われる授業を体験することができたり、実際にキャンパスに足を運ぶことによって、キャンパスライフについて具体的にイメージを高めることができる。また、後述するように、志望先の先輩と繋がることは試験に合格する上で大きなアドバンテージとなる。
8. 先輩の話を聞く
第七に、先輩の話を聞くことである。先輩に試験の協力をしてもらえるかどうかは、合否を分ける大きなカギとなる。筆者の経験から言うと、先輩の協力なしに合格は考えられなかった。先輩に相談するメリットは2つある。はじめに、試験対策について情報を提供してもらえるからである。志望先の大学院が開示している試験問題(筆者の場合だと教育開発)だけでは、その問題がどの文献から引用されたのか分からないケースがある(分かったとしても志望先の先生が書いた主要な文献か、国連機関のここのデータかなど)。そこで、先輩に話を聞くことによって、どの文献が試験に出やすいか、具体的に知ることができ、効率的に試験勉強を進めることが可能となる。2つ目に、研究計画・面接についてアドバイスを頂ける可能性があるということだ。合格した先輩に研究計画の構成について指導や面接についてアドバイスを頂くことは合格に不可欠なことである。
<文=末田椋資>
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