エントリーシートに「長所」「短所」を書く時のポイントと記載例

就職活動では、「長所」と「短所」について質問されることが多くあります。企業は、なぜ応募者の長所と短所を知ろうとするのでしょうか。この記事では、自身の長所・短所の見つけ方とエントリーシートに書く時のポイントについて解説します。

1.企業が長所・短所を質問する意図は？

企業は、なぜ就活生に長所や短所について質問するのでしょうか。企業は就活生にさまざまな質問をすることで、自社が求める人物像にマッチしているかどうかを判断しています。

・自己分析ができているか

企業の採用担当者や面接官は、あなたのことをまったく知りません。就職活動では、自分がどのような人間で、どういう個性を持っているのかをわかりやすく伝える必要があります。そのためには、自分を客観的に見つめて理解することが大切です。

自分では、自分自身の長所や短所について意外と気づかないものです。企業が、あなたの長所と短所について質問する理由は、あなたがどのような人なのかを聞くのと合わせて、自己分析ができているのかどうか確認するためです。

・自社の社風とマッチしているか

企業は長所や短所を質問することで、あなたがどうのような性格なのか把握して、自社の社風にマッチしているかどうかを判断しようとしています。自社の社風にマッチしていなければ、入社後にギャップを感じて早期離職となってしまう可能性があります。

また、一般的に企業はチームで協力しながら仕事を進めます。そのため、いくら能力が高くても自社の社風や雰囲気と合わない人が入社してしまうと、チーム全体が上手く動かなくなります。

・入社後に活躍できるか

中途採用の場合には、職務経歴やスキル、知識などの実績で採否を判断します。しかし、新卒採用ではこれまでの実績がないため、募集する職種に合っているかどうかで、入社後に活躍できそうかを判断します。

仕事で最大のパフォーマンスを発揮するためには、自分の長所を活かすことが大切です。また、自分の短所に気づいていない人は、周囲にサポートを頼んだり自身で弱みを克服することができません。

2.自身の長所・短所の見つけ方

自分の長所や短所は、自分自身では意外に気づかないものです。自身の長所や短所を把握するためには、自己分析を行うことが大切です。

・自己分析

自己分析とは、自分がどのような人なのかを探る作業です。自己分析では、これまでの自分を振り返ることで、自分への理解を深めて行くことが重要です。今までやってきたことや印象に残っていること、得意なこと苦手なこと、頑張れたことや挫折したことなど、エピソードを思いつく限り書き出します。自分の得意なことについて見つけられないという人は、過去の経験から周囲の人に褒められたことや、感謝されたこと、驚かれたことなどを思い出してみましょう。

自分のこれまでを振り返ることで、自身を確認できるだけでなく、新たな自分に気づくこともあります。

・知人や友人に聞いてみる

自分では気づいていないけど、他の人から見ると長所ということがあります。その逆で、自分では気づいていないのに、短所と見られている場合もあります。このように、誰でも自分では自覚していないが、他人は知っているという盲点の性質を持っているものです。自分の長所や短所を見つけるには、家族や知人、友人など自分の周りの人に聞いてみるのも方法です。

3.長所・短所を書く際のポイント

エントリーシートに長所と短所を記入する時、どのように書いたらよいか迷う就活生も多いのではないでしょうか。長所や短所を書く際には、自分をアピールすることを意識することが大切です。ポイントを紹介します。

・具体的なエピソードを添える

企業が応募者の長所や短所を質問するのは、本来の人柄を知りたいからです。エントリーシートに長所・短所を書く際には、最初に特徴を書いてから、それを裏付ける具体的なエピソードや経験を添えるようにすると、読んだ人の印象に残りやすくなります。

なお、長所や短所がいくつもある時には、応募企業や職種の内容に合うものを１つ選ぶようにします。

・短所は長所に言い換える

短所を書く際には、ネガティブな表現を使いがちですが、短所を長所に言い換えてポジティブな印象を与えるようにすることが大切です。例えば優柔不断が短所だとすると、「自分の短所は優柔不断なところです。しかし友人からは柔軟性があると言われています。」などと言い換えましょう。言い換えについては、下の具体例を参考にしてください。

企業は、短所を質問することで、自分の弱みにきちんと向き合っているのかを判断しています。エントリーシートでは、自分の短所を克服するためにどのように取り組んでいるのかを、具体的なエピソードを添えて書きましょう。

短所	長所	短所	長所
流されやすい	適応力がある	計画性がない	行動力がある
自己主張が強い	積極性がある	神経質	几帳面
理屈っぽい	論理的	意思が弱い	柔軟性がある
気が弱い	細かな気遣いができる	主体性がない	チームワークが得意
飽きっぽい	好奇心旺盛	せっかち	時間を大切にしている

4.まとめ

今回は、エントリーシートに長所や短所を書く際のポイントについて紹介しました。まずは、自己分析を行って自身の長所や短所を把握することが大切です。そしてエントリーシートに書く際には、具体的なエピソードや経験を添えることが、採用担当者の印象に残るポイントです。短所については、ネガティブな印象を与えないように、どのように克服しようとしているのを書き添えるようにしましょう。

<文＝田口　忠臣>

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